雲の上の青い空

  1. COFFEE
  2. 874 view

大地からと空から見ると

出張があり東京へ出かけてきた。
セミナーとSCAJへ行き見に詰まった時間を咀嚼し始めている。凝縮した2日間は、コーヒーと人、少しの辛いカレーで身が引き締まった。仕事柄、人と人との繋がりがコーヒーだったりすることが多いが、それはちょっと浅はかな言い表しかも知れないとふと立ち止まってしまった。何故そう思ったのだろうか。最初は確かにコーヒーのおかげだと思う。その後は少し違うように感じている。自分本位に考えると無意識に自分が懐ける相手を見つけているのだろうと思う。そういう人の言葉が身体中に刺さっていたりするのだ。それは決して痛いだけの傷ではなくて、飲んで苦い良薬的なスパイスになっているんだと、体内に流れる血液にも溶けて体や思考に関与しているといったイメージだ。自分の周りには年齢問わずそんな方々がいるのだ。

目標を突き上げて飛んでいく気持ちと、俯瞰して小さくなって見えない不安など何かしらある。どちらが優れているという基準ではなくてバランスをとることをしないと前へ進みにくくなってくるということだ。下からも上からも雲がかかると見る方向が見えなくて不安になってしまうが、雲こそがイレギュラーに思えてくる。しかしそれこそが自分を発揮する機会だと思っている。

コーヒーの美味しさや楽しさを届けたいと熱弁はするものの、いったいどんな相手へ届けたいのか知る由も無い。それこそマニュアルがあったら大変なことになりかねない。漠然たる見えない相手へ届けることの方がむしろ不安だ。何かを知れるまでは、感触を得るために自分を前に進めなくてはないけない。

今回の出張はそう思える機会だった。
なにかこうネイティヴにコーヒーを楽しんでもらいたいし、それを味わってほしい。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

コーヒーを模索する

言葉に出ない違和感目先のものに捉われていると着地点がズレてしまって、あれ可笑しいなとなる。よくあることで日常的と片付けたらそれまでだが、小さな疑問や違和感の積…

  • 250 view

ホタルカフェ@こおひい工房 珈音

新月の乱舞と満天の星空6月下旬から7月15日までの毎週土曜日は男鹿市の「こおひい工房 珈音」さんとホタルカフェでコラボでカフェをしている。もう7年目を一緒…

  • 1161 view

美味しさのルール

コーヒーを飲もうとハンドドリップで抽出している時に、日頃繰り返し質問されることを思い出した。上手に淹れるにはどうしたら良いか?確かに「どうした…

  • 360 view

コーヒーと人の声に

NIIGATA COFFEE FESTIVAL@アオーレ長岡3月26日に参加した「NIIGATA COFFEE FESTIVAL」はたくさんのご来場者によりと…

  • 405 view