コロンビアへ行く

2012年2月、コスタリカを昼過ぎにコロンビアへ向けて出発する。コロンビア ボゴタは標高が約2,600mほどあり秋田県で言うところの鳥海山の上に年がある。若干の空気の薄さを感じると脅かされていた。

機内でものすごく揺れていて目が覚めた。寝起きなものだから墜落かはたまた不時着でもするのかと思って外を見たら乱気流で揺れているようだった。それにしても激しく揺れるもんだ。

大きく揺れたものの無事着陸。空港へ降り立つと深呼吸したくなるような感じになった。軽い頭痛もある。仲間のコーヒー屋さんに尋ねると同じ感じのようだったので、軽い高山病のようなものかな。空気が薄いって本当にあるのね。

ボゴタは想像していたものよりもずっと都会だった。

空港からそのままホテルへチェックイン。ホテルは洒落た感じで少し落ち着かない。。なんて贅沢すぎかな。

写真屋さん?

ホテル入り口から正面の景色。あの山で標高3,000mを越えているとのこと。

しばし散策してから人気のステーキハウスで夕食。私はスタンダードな赤身をミディアムレアで頂いた。牛のコブのところのお肉などがあり色々と選べて楽しそう。

一昔のコロンビアでは考えられなかったようだが治安が良くなりホテル周辺での散策は問題ないとのことで遠回りして歩く。

と言いつつも、警官に職務質問を受けている光景。警官はワンブロックごとにがかなりの人数で警備している様子だった。ホテルへ戻り早めの就寝。

翌朝5時起床しシャワーを浴びる。ここへ来て体内時間が戻ってきて熟睡できるようになった。朝食は果物とチーズを多めにとる。パンはパサパサで美味しくはない。

農園へ向けて出発。交通量の多い道路で自転車も多い。標高の高さからロードレースの選手たちが強化トレーニングで訪れることが多いそうだ。

小さな街でコーヒー豆の集荷場を視察した。

こじんまりとした街ではあるが人の往来がけっこうある。甘く香ばしい香りがする。

スペシャルティコーヒー豆を使っているカフェがあるということで入ることに。コロンビアでは標高の高さによりお湯の沸点が低く、食品関係の仕事ではなかなか厄介とのことで十分に味を抽出できなかったりするようだ。パスタなどもアルデンテにするのも難しいと聞いたのだがどうなのだろう。

コロンビアでは8人乗りくらいのバンで移動していた。予めお断りしておくが、コロンビアでの写真は黄色い感じの写真が少なくない。これは後部座席の窓に貼ってあるフィルムの関係である。その点に関してはご了承願いたい。

野良犬がのんびりお昼寝できる街はどこか羨ましい。

しばらく走ると農園らしきところへ到着。

ここには小さな精製工場とまでは言えないが、設備があり話を聞く。その後ひた走る。

山道はどんどん険しくなるころ今度は歩いていくようだ。気分転換になるので歩く方が良い。

小さな放牧地の脇にコーヒーが植えられている。まだ色付かないコーヒーチェリーがたわわに付いている。

ここにも自家用らしい精製設備が設けられている。加熱して食べるバナナをプラターナと呼ぶんだと教えてもらった。青いバナナをしきりに触っていたからだ。この時からプラターナ好きになっている。

木々の枝には高確率でエアプランツが寄生している。

さらに山道を走る。凸凹にもほどがある。

山中にも集落がありお店もある。そこで小休憩。喉がカラカラなのでコーラを飲んだ。お店に設えてあるベンチに座っていると女の子が寄ってきた。

上を見るとオウム?

そろそろ出発かと思いきやドライバーがミュージックボックスへ小銭を入れサンバが流れた。そして歌いながら踊り出した。いいぞ。

道路脇にもコーヒーがある。

またまた小さな農園へ着く。ひんやりとして涼しい。オレンジやバナナ、何かのフルーツの木々に囲まれた農園。

バラの咲く向こうにコーヒーが実っている。

力強くコーヒーが茂っていた。コーヒーが当たり前に育つ環境は私の住む町にはない。当然ながらにそのことが不思議でならなくなる。そういう思いを抱えながらボゴタへ戻る。

ドライブインで休憩。ビールは苦手だがコロンビアのビールも少し試してみる。

コスタリカでも見たオレンジ色の花が咲く木がチラチラと目に入る。

お肉屋さん。

走り続けて夕暮れ。家路に着く人たちでいっぱいだ。

ボゴタへ戻り夕食は韓国焼肉屋さんへ。旅慣れしてきたので談笑が続いた。

翌朝5時起床。今日はまた他の地域へ向かう。結構な僻地らしい。

ボゴタは標高が高いのでコーヒー豆の農園は1,000mほど下がる。なんか不思議な感じだ。途中のドライブインでおやつを食べる。カッテージチーズに似たものが入っていて美味しかった。

かなりのアップダウンを繰り返して眺めの良い場所に車を止めた。これから行く場所を教えてもらう。(写真中央の場所)

展望箇所から約1時間で小さな街へ入る。長い道のりだった。途中砂利道で車内は砂埃が入り込み驚くほど真っ白になった。

街に着いて車から降りると大きな野良犬が寄ってきた。コーヒーの集荷場を見学してから農園へ。

コーヒーの花が咲きそうだった。細い枝にはたくさんの花芽が付いている。

たくさんのコーヒーチェリーは付いていないが、ここのコーヒーを店頭で販売していたのでドキドキしながら見て回った。

色づきは不揃いでも可愛い雰囲気を纏っていた。

農園というよりも農家の一角で栽培している感じで勝手に育っている様子。繊細な味わいのあるコーヒーだ。昨今では品種改良によって病害虫に強いものだったり、生産量が見込める品種が目立つことも少なくない。生産量の増加は農家にとっては決して無視できる要素ではない。品質が良くても生産性の低い品種を作り続けるには買い手との関係性が最重要かもしれない。

バナナはタケノコのように生えていた。

エアプランツだらけの木。

お腹も空いたので昼食。硬いお肉、焼いたプラターノ、サラダ、スープ。思い出に残る頃味わいだった。

食堂の壁に描かれていた絵。

昼食後にこの町のシンボル的なスポットへ。

ボゴタへ戻る。道中に大きな雲を確認、ラピュタを想起させる。

眠い目をこすりながら車窓を焼き付けた約5時間強のドライブ。ボゴタへ着くと雨。日本食レストランへ案内されてうどんを食す。ホテルで少し飲みながら12時に就寝。

翌朝6時起床。果物中心の朝食を済ませて出発。今日はカッピングをし真剣に時間をかける。どのロットが良いのか吟味する。冷めてからの味わいも深い。

カッピングの後、大きい集荷場へ向かう。

スクリーン選別機、欠点豆を除去する設備、騒音に囲まれての視察。

巨大な倉庫に圧倒される。

徹底的な管理がある。

今回アテンドしてくれた方のカフェへ。当時コロンビアでは珍しいサイフォンでの抽出やハンドドリップで味わう。

雨が降り出した。ボゴタの街がしっとり見える。

人気の大型スーパーへ。果物と野菜が充実していてスーツケースいっぱいに買い込みたい衝動に駆られた。

激しい音と共に雹が降ってきた。

夕暮れの時間、そろそろ空港へ向かう。

空港まで渋滞で足止めされる。

空港で出国手続きで別室へ連れて行かれた。スーツケースの中身を全部出して説明する(もちろんカタコト英語)。その後セキュリティで麻薬検査を受ける。その後ジョークだったらしいがズボンを脱げと言われてベルトへ手をかけた。チケット見せてどこまでいくのかと聞かれて日本だというと、日本のどこだ?と聞かれる。秋田と答えるも、いや東京だろ?秋田は聞いたことないと一点張りだった。

コロンビアからマイアミへ、その後ニューヨークで1泊。ニューヨークから日本へ戻る。

コロンビアでの出来事は中米とは違う様子だった。南北に長いコロンビアではまだまだ知らないことも多い。コーヒーも多様性に満ちていると思う。とにかく世界の広大な土地では多様なコーヒーと人の生活があるという感触を得た。感触を得るということはまだまだ先があるという感触も得たことになる。それは自分のコーヒーはまだまだ始まったばかりということだ。これを機会に再スタートしようと思った。