コーヒーを模索する

  1. COFFEE
  2. 237 view

言葉に出ない違和感

目先のものに捉われていると着地点がズレてしまって、あれ可笑しいなとなる。よくあることで日常的と片付けたらそれまでだが、小さな疑問や違和感の積み重ねから課題が見えてくることがある。コーヒーをドリップしながら、いつもと違う違和感を感じていると、いつものペーパーフィルターとは違っていた。

これはどこで気が付いたかというと、ドリップする前にフィルターを取り出して端を折る時に「ん?」と違和感を感じていた。しかし言葉として行動として表面に出てこないでいた。次に感じた違和感はドリップしている時に僅かにサーバーに落ちる速度が速くて抽出タイミングが掴みにくかった。

そしてカップに注ぎ飲んでみて「あれ?」となるが、気のせいかなともう一度口に含み確認する。香りや味わいに疑問が湧いてくる。

こういったことは思い込みなのか、そうではないのかの判断をしたいものだ。ちょっとした環境の変化でいつものバランスが微妙に崩れてしまうことがある。原因がわかれば対処できるので、焙煎や抽出時には結構敏感になってしまう。何も知らずに出されたら余計に気が付き難くなるが、どういうった違和感になって届けられるか分からないのでお店でコーヒーを抽出する時は集中することになる。どうせなら「いつもと違うよ」や「美味しくないよ」なんて言葉にはっきり出る違和感の方が修正しやすいが、知らずのうちに何かが遠ざかっていくのを感じるのは寂しい。

言葉に出ない違和感は寂しいものだ。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

スペシャルティコーヒー豆の焙煎は面白い

スペシャルティコーヒー豆が持つ個性を知る思い出コーヒー豆の焙煎はいつもワクワクする。学生の頃にコーヒー豆屋さんに買いに出かけ、カウンター前で豆のことを聞くのが好き…

  • 1104 view

コーヒードリップ@東鳥海山

コーヒー豆を持ってGO !「そうだ、オレはコーヒー屋さんだった!」最近カレーのことで一喜一憂していたので、きっちりカレーを食べてから出かけた。好きなコーヒー豆を持…

  • 474 view

早くも秋の夜長の雰囲気のコーヒー

夏から秋へ季節の移り変わりは微妙なニュアンスが大切で、ここからキッパリと線を引かれると困惑する。先日に全国花火競技大会が大仙市で開催されたが、2度の大雨に…

  • 336 view

スペシャルティコーヒーの再現性を高める

ポテンシャルを引き出すには様々な角度から観察をすることだ。しかし、余すことなく引き出すのは少し考えてしまう。全て出し切ってしまえば余計なものまで出てきてしまう…

  • 704 view

コーヒー生豆の香り

しっかりとしたフルーツ感焙煎後のコーヒー豆の香りは芳しく果実に例えられたりカカオを想起させたり色々とある。生豆の香りはというと、これも果実感が強いものから…

  • 2653 view

コーヒーの美味しさはどこにあるのか?

知識と技術だけでは手の届かない場所もあるコーヒーに限ったことでなく食べ物全般に言えることかも知れない。知識を高め技術を磨いても美味しさがどこに在るのか分か…

  • 278 view