ある日のコーヒーの香り

  1. COFFEE
  2. 396 view

秋の夕暮れコーヒー

日が暮れ始めると途端に寒くなってくる。
あっという間に10度くらいまで下がりそろそろストーブの準備をしなくてはと思うこの頃だ。店内は焙煎機の熱気でほんのり温かいのと、香ばしい空気が漂っている。焙煎したものを味見して先日掃除した煙突のことを思う。5〜6年前に一人で煙突掃除をしている時に人差し指を深く切った。軍手の中で温かく感じたくらいで気にならなかったのでそのまま掃除をしていると突然軍手の手首あたりから血が滴り始めた。傷は深く骨で止まったらしいがお医者さんは縫わなくても大丈夫と言い、消毒している間に目の前でダンボールで簡易ギプスのようなものをハサミで作り、そこに人差し指を挟んで包帯を巻いてくれた。お医者さんは濡らすのだけは注意してと言ったが当日からその約束は守れなかった。

コーヒーの香りは色々なことを思い出させてくれる。
それはこういう仕事をしていることもそうだが、コーヒーは色々なところへ溶け込んでいるせいかも知れない。日常の中に溶け込みながら自分の側にいるのだ。その香りと一緒に、何処からともなくいつかの日のことが湧き立つのだ。私にとっては美味しい香りや味わいだけのコーヒーではないのだ。だからこそ、日常的なコーヒーの良さに磨きを掛けたいと思っている。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

落ち葉とコーヒーの香り

空気が冷たくて気持ちがいい夕方の散歩が日課になりつつあって歩くとこんなにも寒くなったかと夏を思い返す。夏の酷暑を思い出そうとするのだが、なかなか出てこない…

  • 499 view

ハンドドリップレシピ!

自分の味を持つコーヒーを抽出する際に、どうしたら美味しく抽出できるのかを考えてしまうのは当然なのだが、その前にご自身はどんな味わいが好きなのかを知っておくと便…

  • 657 view

コーヒー豆の声と言うのはつまり

モノづくりの楽しさと難しさ焙煎や抽出をさらに磨いて、ピカピカになるまで更に磨いて、もっともっととやっている内に陽は暮れて行くし歳もとっていく。自分の技術を磨くのは…

  • 447 view

ホールインワン

思い描くところでパチンと音が鳴るように焙煎が上手く仕上がると嬉しいものだ。そしたらドリップやエスプレッソだって狙いを定めたらもっと素敵なコーヒーの準備ができる…

  • 354 view

ホトトギスの初音

育ちが早い草があっという間に背丈を追い越した。視界を遮るように生い茂っている。そろそろ草刈りをしなきゃと思いつつ、これがわかっていても何かのせいにして…

  • 833 view

雨上がりの午後カップの中にはコロンビアがなみなみと注がれている。私にはまだ熱いからしばらく放置して、ちょうど良い温度になったら口にしようと楽しみにしていた。…

  • 256 view