ある日のコーヒーの香り

  1. COFFEE
  2. 397 view

秋の夕暮れコーヒー

日が暮れ始めると途端に寒くなってくる。
あっという間に10度くらいまで下がりそろそろストーブの準備をしなくてはと思うこの頃だ。店内は焙煎機の熱気でほんのり温かいのと、香ばしい空気が漂っている。焙煎したものを味見して先日掃除した煙突のことを思う。5〜6年前に一人で煙突掃除をしている時に人差し指を深く切った。軍手の中で温かく感じたくらいで気にならなかったのでそのまま掃除をしていると突然軍手の手首あたりから血が滴り始めた。傷は深く骨で止まったらしいがお医者さんは縫わなくても大丈夫と言い、消毒している間に目の前でダンボールで簡易ギプスのようなものをハサミで作り、そこに人差し指を挟んで包帯を巻いてくれた。お医者さんは濡らすのだけは注意してと言ったが当日からその約束は守れなかった。

コーヒーの香りは色々なことを思い出させてくれる。
それはこういう仕事をしていることもそうだが、コーヒーは色々なところへ溶け込んでいるせいかも知れない。日常の中に溶け込みながら自分の側にいるのだ。その香りと一緒に、何処からともなくいつかの日のことが湧き立つのだ。私にとっては美味しい香りや味わいだけのコーヒーではないのだ。だからこそ、日常的なコーヒーの良さに磨きを掛けたいと思っている。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

空に広がるマンデリンの香り

思い入れのあるマンデリンタイトルが壮大だが、何てことはない、焙煎が上手く仕上がって嬉々としているのだ。マンデリンに限らずだが思い入れが強くある。マ…

  • 596 view

動機という力

「動機」という言葉が持つパワー感が凄い。動機の有る無しは結果に作用し、それは欲したところで簡単に手に入る類ではない。何となくでは届かない領域といってもいい…

  • 341 view

NIIGATA COFFEE FESTIVAL 2017 A…

やっぱり車中は楽しい先日、3月にも開催された「NIIGATA COFFEE FESTIVAL」へ2回目の参加をしてきた。夕方まで仕事をしてからの出発になり…

  • 397 view

夏の通り道

お盆を越えて随分と涼しくなった。近くの水路にサンショウウオがたくさんいて驚いた。夏は通り過ぎていった様子もあるが、残暑はあるだろう。東北の暑くて短い夏も後…

  • 491 view

情熱の温かみ

11月3日〜4日は山形県鶴岡市で開催されたコーヒーイベント「Hello,SHONAI,Hello,COFFEE 2019」へ参加してきた。開催場所は多くの観光…

  • 398 view