ある日のコーヒーの香り

  1. COFFEE
  2. 394 view

秋の夕暮れコーヒー

日が暮れ始めると途端に寒くなってくる。
あっという間に10度くらいまで下がりそろそろストーブの準備をしなくてはと思うこの頃だ。店内は焙煎機の熱気でほんのり温かいのと、香ばしい空気が漂っている。焙煎したものを味見して先日掃除した煙突のことを思う。5〜6年前に一人で煙突掃除をしている時に人差し指を深く切った。軍手の中で温かく感じたくらいで気にならなかったのでそのまま掃除をしていると突然軍手の手首あたりから血が滴り始めた。傷は深く骨で止まったらしいがお医者さんは縫わなくても大丈夫と言い、消毒している間に目の前でダンボールで簡易ギプスのようなものをハサミで作り、そこに人差し指を挟んで包帯を巻いてくれた。お医者さんは濡らすのだけは注意してと言ったが当日からその約束は守れなかった。

コーヒーの香りは色々なことを思い出させてくれる。
それはこういう仕事をしていることもそうだが、コーヒーは色々なところへ溶け込んでいるせいかも知れない。日常の中に溶け込みながら自分の側にいるのだ。その香りと一緒に、何処からともなくいつかの日のことが湧き立つのだ。私にとっては美味しい香りや味わいだけのコーヒーではないのだ。だからこそ、日常的なコーヒーの良さに磨きを掛けたいと思っている。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

簡単ハンドドリップ

「ドリップのコツはなんですか?」と聞かれることがある。仕事柄に当然と言えばそうかも知れない。技術的な内容を望んでいることは何となしに分かるが、技術的に…

  • 440 view

新春のコーヒー

新年の朝、コーヒーを飲もうとコロンビアへ手が伸びる。今朝はリッチに仕上げたく少し多めに27gを粗挽きで挽いた。抽出量はいつも通りの300mlで、なみなみに私のカップへ…

  • 527 view

夜カフェ@gita lab. とは?

夜カフェとは?田村・細谷がカウンターに立ちでお客様をお迎えする、"あの"懐かしの夜カフェスタイルのカフェタイムです。コーヒーを通して自由なコミュニケーションの場であり…

  • 443 view