磨くということ

  1. DIARY
  2. 103 view

技術を磨くことと自分を磨くこと

焙煎で思うようにいかず悩ましい日々を過ごしていた頃があった。もちろん今だって上手く出来ないこともある。
しかし今思えば、技術というものを追いかけてもそれを駆使する自分ではなかったし、出来上がったものをきちんと評価できなかった。自分でモノづくりをしていてできない理由を広げていったように思う。これができない理由を当時自分を納得させることができた。自分の枠を抜け出すこともしないでよく正当で真っ当なことを口に出していた。それなのに磨けば光ると信じていた。磨き方が悪ければ傷になるだけなのに理想だけは高かった。

誰だって初めは失敗はしたくないと思う。
できると思っていたことが全くできないまま時間が過ぎていくだけに才能を疑う余裕さえあった。自分にはその手の才能がないのかも知れないと落胆した。その頃に才能は平等ではないかもだけど、可能性はきっと平等にあるのだと閃いた一瞬があった。

その日から自分の中では失敗のイメージが変化していった。毎日が実験の日々で楽しかったな。無駄も多かったが経験値は増えたから良しとしてきた。要するに今日より明日の方が可能性が高いということだ。今日ダメだったことを知ったので明日また他の方法で試せるということはワクワクすることだ。結果は同じでも捉え方を変化させた方が前進速度が早いように感じている。伸び代が多い時期にこれをやっておいて損はないと思う。

今朝は焙煎しながらそんな悩ましい日々を思い出したのだ。
失敗は毒ではない。ちょっと飲みにくい栄養剤ってところだ。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

草いきれの中にコーヒーを見つける

新豆の香りは鮮烈な初夏を感じる湯沢市の里山も初夏の雰囲気が漂ってきて春蝉の声が響くようになったが、それを掻き消すように草刈機のエンジンがなる。昨日は店…

  • 483 view

草むしりの効果

畑の表層を張り巡らす蔓や根先日のよく晴れた暑い日に目の前にある畑に行くと草が元気に生い茂っていた。おばあちゃんがせっせと管理していた畑は、今は父が少し…

  • 1308 view

続・草むしりの効果

店長!気持ちの良い場所で座ってコーヒー飲みたいなんでもやってくれる店長だ。「そうですねぇ」とその辺にあった板切れを持ってきて素朴で可愛らしいベンチを作って…

  • 297 view

考える時間

いつも同じでないことへの理解カップに入ったコーヒーや豆は見た目はなんでも同じように思われていることがまだまだ多いように思う。コンビニやスーパーのコーヒーや、近…

  • 273 view

6月1日

先月末から春ゼミとホトトギスが鳴き始めた。今年はまだアカショウビンは見かけていないけれど、来ないのかなと少し寂しい気持ちでいる。あの澄んで綺麗に響くこだまのような…

  • 149 view

いつかの空、いつかのコーヒー

燃えるような空はあっという間に燻んで冷めていった。早くも10月は終盤を迎えてしまい、紅葉は里山までに降りてきた。こちらの記事の更新では、あれよこれよといい加減…

  • 302 view