カレーの懐は広くて深い
さていつの頃からか「スパイスカレー」なる呼び名が出てきていたのか定かでないが、聞くところによると「自由な発想のカレー」ということらしい。クリエイターなどの人たちが自分の好きな味わいを追求して生まれたそうな。インドカレーなどはある程度のルールはあると思うが、もっと自由で大胆な発想からのスパイスの利用法を楽しんでいると思う。
定義付けが難しいのかも知れないが「見た目よし味よし」であれば良いのだ。
去年の10月から横手店で「スパイスカレー」の提供を始めた。
お陰様でとても好評を頂き心より感謝しております。
それまでの間は何度も何度も作っては食べを延々に繰り返して、朝昼晩とカレーを食べていた日もあった。毎日の賄いもカレーだった。
本を読み漁るよりも食べ歩いては作るを繰り返していく内に、買い集めたスパイスの扱い方も気にするようになった。
多くの種類のスパイスを盛り込むとカレーにはなるのだが、どこか単調になってしまう気がしていた。そこから引き算していくと面白い。これなくても気が付かないねとか、結構あった。本のレシピ通りに作っても思い通りにはならなかったし、どこか作らされている感覚は否めなかった。もっと作りやすいレシピがどこかにあるだろうと探してはみたものの、そもそも「レシピ」は自分で考え作るものではないかと背すじがスンと伸びた。そういうレシピの中には「理由」や「信念」が備わっているのだ。
ましてやレシピが答えではない。答えを求めている人は多いが、それが近道ではないような気がする。平たく言うと算数の計算式をすっ飛ばして答えだけ書いてもどうにも同じところで躓いてしまうのと似ている。早い内に正解を求めずに自由な料理をしたらいいと思う。これは何事も一緒だと思っている。
カレーの懐の深さの1つに「不味い」が少ないがあると思う。
色々と出かけた先でカレーとコーヒーは欠かさないが「不味い」カレーに出会ったことがない。しかし、その代わりと言っては何だが「美味しい!」と感動してしまうほどのカレーも少なかった気がする。これはまだまだ食べ歩いていないからだとも思うが、懐の深い料理ではないかと思うところだ。またバリエーションも多く、使うスパイスによっては香りの印象も様々に楽しめる。スパイスの薬理効果については専門的には書けないが、カレーを食べた後のお腹の調子は良いのだ。
もっと自由に、カレーを食べてくださいな!