レシピができるまでは毎日違う
玉ねぎの切り方、炒める火力や時間、スパイスの量や配合、煮込む時間など。何通りもあるのだからたまったもんじゃない。本屋に通ったりWebで調べたり、人に聞いたりをして数ヶ月間ほぼ毎日のようにカレーを作ってきた。途中飽きてきてパスタなどを食べてしまったが。。
ここにきてようやく少しまとまった味わいを感じられるようになった。そうなったらなったで欲張りなものだからもう少し良くしたいなどと味見を繰り返している。何だかコーヒーみたいだ。カレー屋さんも大変な仕事だ。何の仕事も同様だと思うが作りたいものがあればこそ面白いがそれに相応しいほどの壁が聳え立つ。そして絶妙なバランスが出来上がるのではないかとバランス作りのレシピを模索中だ。何となく作れば何となく美味しいカレーができる。一所懸命作れば一所懸命作ったカレーになる。何となくも一所懸命も、悪くはないが美味しいという主観から客観的へ向かう過程に、美味しいという指標は何なのか?という疑問が湧いてくる。カレーにおいて「美味しい」とは?
ここまでくるとコーヒーと一緒になって考えられるのではないかと思う。
焙煎や抽出にも似ているような気がする。コーヒーや写真、今はカレーにも色々と教えられている。もの作りということの本質を手探りで感じられるのは一苦労だが続けることが何よりも大切だろう。カレー屋さんになったつもりで、否、カレー屋さんになって調理するのだ。コーヒーからのフィードバックでカップしていくのだ。質感や酸味のキャラクター、香りなど、後から迫って大汗を引き出す辛味。この数ヶ月間、ほぼ毎日賄いでカレーを一緒に食べているスタッフは辛抱強い。