素直な心を大切にして欲しいのは、忘れていくからだ

  1. DIARY
  2. 651 view

単純さと難解さ

子どもの頃に「どうしてバラにはトゲがあるのかな?」て思った。

学校へ持って行こうとして摘み取る時に握って棘が刺さり出血したことがあった。
先生にいい香りを嗅いでもらいたくて、でもいい香りがして綺麗なのに棘があって触れなくて悲しかった。

大人になってからは知識でそれを補い理解した。
理解をしたら途端につまらなくなり、子どもの頃のバラのことを思い出すことはなくなった。子どもの時のその時の素直な気持ちを感じなくなった。その単純な行動をしなくなったというより、怪我をしないで摘み取る方を先に考えてしまうのだ。いや、これは子供も大人も正解かも知れないが、損をするかも知れないがその衝動的な行動には誰かのための素直な気持ちで満ち溢れている。
その衝動には多くの諸問題は含まれると思うがね。。

大人になっていくと子どものような単純明快なことができなくなったり忘れていったりするのだろう。それは多かれ少なかれ様々な経験をして一喜一憂を繰り返すうちに生き方が難解になっていったりもするのだろう。本当はもっとシンプルに生きていいのに、そうなってしまうのだろう。それが自分を首尾よくコントロールしていくことだと思い込んだりしてるのだけど、守るべきは単純明快な素直な心だ。
私の勝手な考えだから悪しからず。

どんなに美しく写ったバラの写真だって香りは届けられない。子供の頃の私は香りを届けたかった。今の自分では怪我をしたバラの棘を美しく捉えられる視点を持つくらいがせいぜいのところだ。
バラは狂気の沙汰で、そして美しい。

知識や経験があっても未だに香りを摘み取ってこれないでいる。

素直な心を忘れたらその花の香りも消えてしまうだろう。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

磨くということ

技術を磨くことと自分を磨くこと焙煎で思うようにいかず悩ましい日々を過ごしていた頃があった。もちろん今だって上手く出来ないこともある。しかし今思えば、技術と…

  • 177 view

雪がしんしん降る夜

写真の整理とコーヒー一昨日に出張から戻り水道の蛇口をひねると水が出なくなっていた。数日間留守にしていたので凍ってしまったかと一晩中ストーブで温めて、電気ストーブを配管…

  • 311 view

遠くで考える移住のこと

自分の住む街のことを想いながら眺めてみると何かと出張が多いが先日は東京へ行ってきた。今年の7月から行われていた「ターンズのがっこう 秋田科」のラストイベントに顔を…

  • 473 view

忘れ草

梅雨明け、湯沢、夏のひとり言梅雨明けして夏になった。梅雨明けしたら夜は涼しくなり虫の鳴き声が響いている。空の雲は秋のように広がって夏がそろそろ終盤近くに感…

  • 223 view

もし子猫になった場合

足元に蜂が落ちていた。もう息絶え絶えに動かなくなっていて、ツンツンとしても微かに触覚が動いたような気がするくらいだった。ここで絶えるのも不憫と思い窓の外へ運び出す…

  • 252 view