1. DIARY
  2. 265 view

雨上がりの午後

カップの中にはコロンビアがなみなみと注がれている。
私にはまだ熱いからしばらく放置して、ちょうど良い温度になったら口にしようと楽しみにしていた。

風が強く吹きつけてきて雷が鳴り始めるとすぐに大粒の雨が激しく降ってきた。子猫のピノは驚いた様子で物陰に走っていってしばらく出てこなかった。強い雨音が室内に降ってくるようで初めは煩すぎたが、そのまましばらく聞き入ってしまった。そして先月四国で買った「美生柑(みうかん)」の皮を剥き、四国でのことを思い出しながらゆっくりと食べた。香りと味わいはグレープフルーツによく似ていて、それよりも甘く、苦味が弱く、皮も薄いので口の中いっぱいに果汁が広がっていく。

あまりに美味しいのもう1つ食べようかと思ったところで、どら焼きがあったことを思い出した。

ここ近年は「どら焼き」や「かりんとう」が好きでよく見つけては食べている。どら焼きは色々なところで食べた。取材先の車中や旅先の道端など、たまにバッグに1個は忍ばせていたりすることもある。

不意に訪れる些細な幸せのように、どら焼きは様々な景色を蘇らせてくれるのだから全く摩訶不思議な食べ物だと愛おしく思う。通りでドラえもんも好きなわけだ。納得。

「美生柑(みうかん)」のあとに「どら焼き」なので食べる順番はバッチリだったが、これが逆であれば美生柑のイメージもここまで良くなかっただろう。食べる順序ってやっぱりあるもんだと色々と想像を巡らした。学生の頃、安いステーキ屋さんでステーキを頼んだ際にアイスクリームを続けて頼んだ時、先にアイスクリームが配膳された時は絶句した。そんなことまで思い出していた。

ところで、カップの中のコロンビアはどうなったのか?と記憶力のいい人もいるかも知れないが、ここまで思い出に浸っているとすっかり冷めているもんだよ。そんな贅沢な定休日の午後だった。

雨音はいつの間にか消え去り、湿気の含む空気が漂ってた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

ある日の森

クマがやって来た早いもので9月も終わりかけになった。8月の暑さはお盆前からの長雨で穏やかになって夏は急に大人しくなっていった。それでも時折の晴れ間にはミンミン…

  • 485 view

『春近し』と思えば叶う

しばらく出張が続く2月に入ってから出張がポンポンとあり5月くらいまで方々へ行ってくる。九州、北海道、神戸、東京、新潟、バンクーバー、シアトル、北海道ととても賑…

  • 295 view

梅雨時の散歩

6月12日より横手店を時間短縮で営業再開をした。何とか続けていられることに感謝しかない。新型コロナウィルスの第2波が来るのかどうなのか等、囁かれている中で不安…

  • 371 view

本日の湯沢店、白黒写真

DxO FilmPack 5本日の湯沢店、大忙しだったけど楽しかった。合間に撮った写真をフィルムシミュレーションでハイコントラスな白黒写真に。…

  • 450 view

抽出というのは何事にも通ずるか?

今日はコーヒー豆をできるだけ細かく挽いてドリップした。できるだけといってもエスプレッソ用までにはいかない程度に留める。単なる気分転換だ。抽出されたコーヒーは味…

  • 373 view

考えているうちに冷めたコーヒーの味

雨音を聞きながら本を読んでは涙し、映画を観ては涙する。もう少し若い頃には感じもしないことだった。寒いなと思っていたら駒ケ岳で初冠雪したようだ。里山も紅葉に包まれて…

  • 406 view