季刊 日本で最も美しい村 Vol.21 秋号
8月に取材で訪れた山形県大蔵村の記事が「日本で最も美しい村 Vol.21 秋号」として発刊された。取材時には台風の影響で蒸し暑くなったり、大雨や強風の中の撮影だった。時折晴れ渡る青空がもう秋のような様子を憶えている。言葉一つ一つが連なり景色を創るかのように、人の気持ちに呼応するように反映していた印象があった。田舎だからと一括りに片付けられない、不便さの中で主人公として生きていく姿は良い雰囲気としてこちらにも伝わってくる。決して達観しているのではなく、迷いながらもがむしゃらになって進んでいる姿は日本各地にたくさんあるのだと思う。そのような人たちと出会い言葉を交わせることは私にとってとても貴重な時間だ。
その町にどんな人が住んでいるのか、とても大切であり、また至極当然のことのように思える。その誰かが、また誰かを呼び繋がっていくことで世界は広がっていくのだろうと思う。それはどこでもそうであり、今更に気が付くことも多い。その「当たり前」を毎回の取材で知ることができている。大切なものを見せてくれるから自分に何ができるのだろうと真剣になってカメラを持つのだ。例えるなら目の前の被写体よりも身体の芯に焦点を合わせる気持ちだ。自分が感じた強い雰囲気を写したい。それは写真になって表現されるなら容易いが、なかなかやり甲斐の持てる撮影だ。何をどうしても目の前のものが写るのが写真だから面白い。それにしても毎回の取材チームがかなり良い。賑やかなだけでなく、どこからともなく漂ってくる薫香のように信念を感じる。モノづくりの面白さと難しさを毎回教えてくれる。そういうおかげかアシスタントの撮影が毎度成長してきたのがまた嬉しい。
今回の季刊誌は11月にイタリア文化会館での美しい村フォーラムで配布されることになったようだ。
本当に嬉しい。
また季刊誌は横手店でも販売しているのでお時間ある時にでも是非読んでもらいたい。