モノづくりの楽しさと難しさ
焙煎や抽出をさらに磨いて、ピカピカになるまで更に磨いて、もっともっととやっている内に陽は暮れて行くし歳もとっていく。
自分の技術を磨くのは結構なことだが、知らぬ内に大切な何かを見落としていたり、迷宮入りしたりとすることが多いにある。気が付いていない時の方が幸せだったりするものだ。時折過ぎていく突風のように驚きにも似た忘れ物にハッとすることがある。
自分が関わっているコーヒーがいつかどこかで誰かの傍で素敵な時間の手助けになっていたら本当に嬉しい。コーヒー豆は遠くの国で育てられ時間をかけて運ばれてくる。いつの間にか私にとって、ただのコーヒー豆は、ただならぬコーヒー豆に変わっていった。何を大切にするのかはお店や人それぞれなのだが、自分しかできないことの一つになるまでしっかり取り組むことだと言い聞かせている。
焙煎していると色々と欲が出てくるものだが、もっとシンプルにシンパシーを感じるとがいいのかも知れない。