磨くということ

  1. DIARY
  2. 235 view

技術を磨くことと自分を磨くこと

焙煎で思うようにいかず悩ましい日々を過ごしていた頃があった。もちろん今だって上手く出来ないこともある。
しかし今思えば、技術というものを追いかけてもそれを駆使する自分ではなかったし、出来上がったものをきちんと評価できなかった。自分でモノづくりをしていてできない理由を広げていったように思う。これができない理由を当時自分を納得させることができた。自分の枠を抜け出すこともしないでよく正当で真っ当なことを口に出していた。それなのに磨けば光ると信じていた。磨き方が悪ければ傷になるだけなのに理想だけは高かった。

誰だって初めは失敗はしたくないと思う。
できると思っていたことが全くできないまま時間が過ぎていくだけに才能を疑う余裕さえあった。自分にはその手の才能がないのかも知れないと落胆した。その頃に才能は平等ではないかもだけど、可能性はきっと平等にあるのだと閃いた一瞬があった。

その日から自分の中では失敗のイメージが変化していった。毎日が実験の日々で楽しかったな。無駄も多かったが経験値は増えたから良しとしてきた。要するに今日より明日の方が可能性が高いということだ。今日ダメだったことを知ったので明日また他の方法で試せるということはワクワクすることだ。結果は同じでも捉え方を変化させた方が前進速度が早いように感じている。伸び代が多い時期にこれをやっておいて損はないと思う。

今朝は焙煎しながらそんな悩ましい日々を思い出したのだ。
失敗は毒ではない。ちょっと飲みにくい栄養剤ってところだ。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

考えているうちに冷めたコーヒーの味

雨音を聞きながら本を読んでは涙し、映画を観ては涙する。もう少し若い頃には感じもしないことだった。寒いなと思っていたら駒ケ岳で初冠雪したようだ。里山も紅葉に包まれて…

  • 409 view

朝霧の中で鳴く虫の声

言行不一致1日が素早く過ぎていく感じに追い付けていないのか、または追われているのかどうかなどはどうでもよいのだがとにかくあっという間だ。考える事ばかりで手足が…

  • 240 view

アカショウビンの声

今朝に森に響くアカショウビンの声を聞いた。今年もやって来てくれたと嬉しいのと安心した。相変わらず綺麗に響く鳴き声だと感心してどの辺にいるかなと眺めていた。しば…

  • 509 view

月に照らされると見えてくるものたち

静かな夜エアコンは数日前から切っている。日差しも鈍く天気は残暑といった雰囲気もない。夏から秋へと季節は移ろいでいて近所のサクランボの葉っぱは黄色になり落ち…

  • 1459 view

カリントスキー

思い出したように食べ始めるひっそりと隠していたわけではないが小さい頃から「かりんとう」が好きなのだ。なんと言えば良いか、絶妙なバランスと味わいなのだ。黒糖の香…

  • 293 view

夕焼け小焼け

空が桃色になる「夕焼け小焼け」の「小焼け」は北原白秋の造語だった可能性があると何かで読んだのを思い出した。写真では桃色と紫が強く写し出されたが、本当は…

  • 1026 view