紛れこむものの作用

  1. COFFEE
  2. 331 view

カエルの合唱が風に乗って聞こえてくる。
そろそろ田圃に水が入る季節だと知れる。こういう里山の田舎では自然からたくさんの便りがある。今年も「アカショウビン」が来てくれた。なかなか姿は見せてくれないが森の中から美しい鳴き声を届けてくれる。2年ほど前にお店の近くまで来るようになり、よく窓から赤い綺麗な容姿を見せてくれてた。けれども、窓ガラスにぶつかってしまい、気付いた時には助けることができなかった。その鳴き声で充分だからどうかそのまま森で過ごして欲しい。

ここ数日は風が強いが、初夏になった様子で毎朝に飲むコーヒーの雰囲気も変えてみようとあれこれ試している。
最近はコーヒー豆を粗めに挽いている。挽いた豆から甘い香りが立ち昇っている。
缶を近付けて吸い込むと甘い香りが記憶を撫でていく。

まるで呼び出されたように現れた異国でのことたちが、手や腕なのか、足なのか背中なのか、私のどこかに宿りコーヒーと再会するのだ。そういうものたちがコーヒーの中へ滑り込んでいくのだが、そういうものたちはやっぱり味や香りとしては見つかり難い。

コーヒーの妙味として何かしかの雰囲気になれば良いなと思うこの頃。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

NIIGATA COFFEE FESTIVAL 2017 A…

やっぱり車中は楽しい先日、3月にも開催された「NIIGATA COFFEE FESTIVAL」へ2回目の参加をしてきた。夕方まで仕事をしてからの出発になり…

  • 375 view

呼び声

声のする方へクンクン甘えた声がする。カプリは視力が悪くなってきた。耳も遠くなってきた。オンオンと元気に鳴いて私を呼び、お店のドアが開くとピョンピョ…

  • 392 view

gita Web Magazine はじめました。

はじめましてコーヒー豆を焙煎をして販売し始めたのが14年前、時間が経つのは早いものです。その頃はまだインターネット上で文章を書くことなんて想像してもいなかったので、今…

  • 621 view

ブレンドするということ

ブレンドを考えていると日が暮れるシングルオリジンといえば、農園の特徴や単一品種の風味などを楽しめる。ブレンドコーヒーは、味わいが広がるのだ。ブレン…

  • 427 view

田圃の中で考えたクリエイティビティ

新しいものを生む想像力男鹿市五里合にある「こおひい工房 珈音」さんの田んぼで稲刈りをしてきた。6月下旬から7月下旬の頃に「蛍カフェ」のコラボレーション…

  • 357 view