五感フル活用ノ焙煎

  1. COFFEE
  2. 492 view

何やら虫が多い。
外は風が止んでしまい室内温度がぐんぐんと上昇していく。
窓を開けて空気の流れを作るがそれでは足りなくてエアコンを稼働させてみるがまだ足りない。

暑い季節の到来だ。
そして暑さと一緒に虫の季節到来ということだが、これは頂けない。

特にパソコン仕事と焙煎は容赦ない。
目元、耳元、コーヒーカップの中まで虫がいる。自然豊かな証だ。

夜に焙煎する時は電気を消して行うこともあるくらいだ。明かりを消して勘を頼りに焙煎していた時もあったが、あれは勉強になった。焼き上がったコーヒー豆の風味はいつもと違っていた。どう違っていたかというと、単調さがなく、起伏があり風味は豊かだった。時間と温度の数値だけを見ていたのかと気付かされた。豆の爆ぜる音や香りを追いかけることで豆の現状を想像しての焙煎だった。豆はたくさんのサインを出していたのだと気付かせてくれたのは、このたくさんの虫たちのおかげだった。

人の持つ感覚は訓練次第ではもう少し向上するはずだ。
「視覚・聴覚・触覚・味覚・臭覚」これらを信じる力が必要だ。
ズレの少ない数値は信憑性が高いが、おおよその、誤解を恐れずに言えば過去の統計だ。
しかし今まさに窯の中に入っている豆たちの現場の予測は自身で行いたいと思う人向けかも知れないが、自分で弾き出す数値のグルーヴ感は血が通っている感じがいい。

今のご時世に何を言っているのかと笑われるのかも知れないが、自分を信じるのはとても勇気のいることだ。

焙煎するのは簡単だが、しっかり仕上げようと考えると結構な難しさがある。
焙煎とはある種、コンセプチュアルスキルが求められるのかも知れないかもね。
虫さんたちありがとう。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

スペシャルティコーヒー豆の焙煎

どんなコーヒーにしたいのかスペシャルティコーヒー豆は個性豊かで質感が素晴らしいもので、またその流通過程の透明性もあり安心感もある。その素晴らしさをカップの中へ…

  • 232 view

NIIGATA COFFEE FESTIVAL 2017 A…

長岡までの道中は本日開催の『NIIGATA COFFEE FESTIVAL 2017 Autumn』のため昨夜に長岡入りした。夕方に秋田を出発して途中でラーメ…

  • 366 view

雲の上の青い空

大地からと空から見ると出張があり東京へ出かけてきた。セミナーとSCAJへ行き見に詰まった時間を咀嚼し始めている。凝縮した2日間は、コーヒーと人、少しの辛い…

  • 865 view

ブラジルで見た黄色い小鳥

甘酸っぱくジューシーなブラジルが飲みたくて焙煎する前に色々と考えた。考えてばかりでも辿り着けないからと焙煎機に火を入れる。暖気運転している間に生豆をじっと見ていると、…

  • 341 view

ドリップする時の『蒸らし』について

粉全体が染み込むようにさて「蒸らし」についてだ。必要か不要かのことではないことを予めお断りしておく。ここでいう「蒸らし」というのは最初にお湯をかけ…

  • 853 view

珈琲参杯 仙台 資福寺 2017

5月27日〜28日 AM10:00 ~ PM17:00資福寺のある仙台市青葉区北山界隈は、仙台藩の時代から続く歴史的な古刹があり、日本庭園や緑豊かな環境が仙台…

  • 748 view