凝縮感と一体感
かれこれずっとカレーを作り続けている。毎日のルーティンワークにすらなっている。スパイスの配合が面白い時期もあったが、そこでコーヒーに置き換えてみると以外と新たな発見や役立つことが多い。なのでコーヒーの観点からカレー作りをしているのだが、それが良いのかは分からないがカレーとコーヒーは同様ではないということは頭の隅っこに置いてある。
ブレンドコーヒーとスパイス配合
ブレンドには数種類のコーヒー豆を使用してコンセプトイメージに沿った味わいへと仕上げている。それは飲みやすさであったり、バランスであったり、香りだったりと色々と楽しんでいる。しかし、カレーを作り続けていく内に様々な疑問が湧いて出てくる。カレーに使用するスパイスはたくさんの種類があり、色々調べていく内にお店のオリジナルカレーパウダーというものに気持ちが向いて数種類買い求めてみた。多いもので10〜30種類のスパイスを配合していると書かれているものがあった。
これをコーヒーの観点からするとブレンドコーヒーの配合がカオティックになる。コーヒー豆の特徴があるので多くを混ぜることで均一化されることになり親しみ易い味わいに成り得ることはあるとは思うが、良質の個性を突出させるには不向きだと考える。この疑問の解決にはまだまだ時間がかかりそうだが、一定の風味を活かすためには数種に留めておくのが作り易いと感じている。
一方カレーはというと、渾然一体となった味わいには多くのスパイスのブレンドは不可欠なのか?という疑問がある。これもコーヒーと同じ観点からすると、カレーの場合は食材によりスパイスを選んだ方が良いこともあると思うので、ホールスパイスを含めて10種類程度に絞った方がいいのかもなどと思ったりしている。違うルーを作る時に違うスパイスを選定していくことでバリエーションを持てそうな気がしている。多種類のスパイスを使用していることを否定しているわけでないことは予め断言しておきたい。機会があればカレー屋さんと色々とお話をしたいと思っている。どなたかいらっしゃいませんか?新しいトークセッションができるのではなとワクワクしている。
味わいの情報量
カレーを口に入れると広がる香りと酸味や甘味、少しのほろ苦さ(これは焦げている時のかな)などがあり、また食材の水分を飛ばしているので凝縮された旨味を感じる。油により乳化された美味しさや口当たりも感じる。これはまさにエスプレッソの美味しさに近いのではないかと思っている。エスプレッソにミルクや豆乳、もしくは果汁などを加味すると新たな味わいになり面白い。カレーも副食のアチャールなどを混ぜながら食すと美味しさも増す。どちらも情報量が多い。作り続けてまだまだ短いが集中して作り続けているとフィードバックの回数も多いので色々と学びの時間は少なくない。
ただ、コーヒーもカレーも美味しいし面白い。しかしどちらも香りがいいもの同士なのでいい相性の割には対立してしまうことがある。香りの対決ではないのだがコーヒーの香りや味わいを感じるためには課題もある。カレーを食した後のコーヒーはどれが最適なのかということも含めて作っていきたいと思う。