ホトトギスの初音

  1. DIARY
  2. 835 view

育ちが早い草があっという間に背丈を追い越した。
視界を遮るように生い茂っている。

そろそろ草刈りをしなきゃと思いつつ、これがわかっていても何かのせいにして出来ないでいる。空いている畑にもお花を植えようと言っている間に、このままでは夏が来てしまいそうだ。

夏の到来といえば「ホトトギス」だ。
今日は夕方前に鳴き始めた。そして、夏の到来を知らせる渡り鳥なのだ。

彼らはウグイスなど春の渡り鳥たちよりも少し遅れてやって来るのだが、それは「托卵」のためや捕食生物の時期に合わせての飛来のためなどと言われている。他の鳥の巣に卵を産み付け子育てまでお任せしてしまうのだ。また彼らの卵は、その巣の主人の卵よりも早く孵化し、他の卵を落として主人を独り占めしてしまうという、狡いと言ってしまえばそれまでだが、生き抜いてきた知恵の結晶のような習性と言わざるを得ない。そんな子育てまでお任せしていて嫌われるかと思えば、万葉集などにもその鳴き声の美しさから多く和歌にも登場しているようだ。

何ていうか芸術性の高い存在なのだな。
逞しすぎる本能を差し引いても余りある不思議と引き込まれるあの鳴き声がそうさせているのかしら。

それもまた生きる力か。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

椿

新たな感覚とコーヒー作りまずは。ゴールデンウィーク期間中には多くのご来店頂き心よりお礼申し上げます。長い連休となり例年以上に多彩な顔ぶれと出会えた。おかげ…

  • 331 view

寝酒

末廣酒造6月も残すところ2日となった。今月は新しく始めてみたいことなど、いつもより少し早くに行動に移せたことがあって少しづつ前へ進んでいるように思う。来月はもう少して…

  • 401 view

雨上がりの午後カップの中にはコロンビアがなみなみと注がれている。私にはまだ熱いからしばらく放置して、ちょうど良い温度になったら口にしようと楽しみにしていた。…

  • 256 view

今年を振り返って

行く年を眺めて振り返ると今年も様々な土地へ出かけてきた。見ては驚き、触れては感心し、そこから自分へ目標や課題に変化しつつ過ごしてきた。とりわけ、何か大きな目標を達成し…

  • 351 view

書けないから、書く

お湯割と焼きめざし何か書こうと思いパソコンを開いてみたが、昼間に思い付いたことが夜になって思い返すと書くほどというか書きたいほどでもない。仕方なく熊本へ行った…

  • 195 view

言い訳の作られ方

煮詰まった。頭の中で描いては紙に書き出しを繰り返していた。書いているノートの上に子猫にしては大きくなったピノが寝そべったままノートを覆い尽くすほど伸びてこちら…

  • 447 view