天をも焦がす音

  1. DIARY
  2. 235 view

菖蒲太鼓

後三年 秋の陣 in 金澤 2017〜出陣前夜〜にてコーヒーを提供してきた。地元の若者中心が行動し作り上げた前夜祭はとてもエネルギーに満ちていて胸にずしずし響いてきた。数ヶ月前から準備をしてきたようで、弊社従業員の地元ともあって出店のご依頼まで頂いた。結果、とても心に残る時間にもなった。仕事柄様々な地域へ訪れて若い人たちの話を聞いたり行政のお話を聞いたりもしているが、若い人が持つマンパワーの集合体は声や音となり人の心に何かしらを残していくようだった。コーヒーを抽出しながら地元のご年配の方としばしお話をしたところ、優しく厳しい視線で見守られていたことに感激してしまった。若さゆえ反発する言葉も含むことはあるかも知れないが実に優しい眼差しで喜んでおられた。

そして「今日ここで出店してくれてありがとうな」と一言お礼を残してくれた。

若い頃の自分は厳しさの中にある優しさには気が付けなかった。厳しさは厳しさとして、優しさは優しさとしてでしかなかった。だから考えるまでもなく心は削られたり満たされたりで忙しかった。考えることさえしていなかったのだろう。自分にとって魅力的なものだけに、または都合の良いことだけに惹かれていったことは少なくなかった。もちろん厳しさを好きになれとは言わないが、水面の波紋に目を向けるだけでなく水面かを想像してみろと、その時の自分に言ってやりたい。そんな若い頃の自分を思い出す時間になった。

声は小さくとも心の声が何かの拍子に音となって誰かの胸に刺さることがあるってことだ。
説教じみた文章だな。

昨夜に聴いた太鼓の音は自分を過去に遡らせた。いっとき天を焦がすほどの音は直ぐさままた天に呑まれていくのだ。それほど大きい。そこにどれだけの余韻を残せるかな。やり甲斐ってそんなことだと思う。

勉強になった。

本当に素敵なお祭りだった。感謝。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

八月

長梅雨のようで、スパッと晴れる日がない。時折雲が切れて綺麗な空が広がっていると、ついつい嬉しくなってプラプラと出かけては、童心に帰ったように夜道の街灯の下をカ…

  • 458 view

どこまでも行こう

道は創るものどこまでも行こう 道はきびしくとも 口笛を吹きながら 走って行こうどこまでも行こう 道は険しくとも 幸せが待っている …

  • 472 view

自分作りをしっかりと

過ごしやすくて結構なのだが少し肌寒い日が続いている。高い木の天辺から聞こえてくる美しく元気な声の主は誰だろうと気になったまま時間が過ぎた。お店の玄関先に植えた…

  • 356 view

小さな感触

一歩踏みしめるほんの小さな目標でも達成できたことによって嬉しさは桁違いに倍増する。「目標」はそんな効果もある。本日はそういう日だった。それが日ごと月ごとに…

  • 225 view

梅雨入りしたそうな

秋田県も梅雨入り例年に比べて少し遅く梅雨入りしたようだ。昨日まで好天で汗ばむ日だったが、一日中しっとりとした空気の中少し肌寒かった。パラパラと雨音を聞きながら…

  • 227 view

夜空に白い渡り鳥が鳴く

食べ尽くすのではなく、食べ歩きをするということ11月になった。朝晩の冷え込みが増してきた。そろそろ薄氷が張るのかどうなのか、里では紅葉も見頃になった。午後15…

  • 1157 view