雪解けの音を聞きながら焙煎して思い出したこと

  1. DIARY
  2. 541 view

純真無垢な妄想

子どもの頃にふと思ったことだ。
「もしかしたら立って両手で自分の足を持ち上げたら空中に浮けるかも知れない!」我ながらもの凄いひらめきだったと記憶している。しかし、腕力が未熟なために浮けないのかと落胆した。家に戻り父親にそのことを話すと苦笑いしていた表情を思い出す。大人になって力持ちになったら浮くことができると信じていた。今でも、もしかしたらなんてたまに考えたりするが、子どもの頃のあの無垢の心持ちがなかなか続かない。つまらない大人になってしまったのかも知れない。

窓を開けると春の匂いと雪が崩れ落ちる音が入り込んでくる。外の雪の塊はどんどん小さくなって土の見えるところでは草の芽が緑を覗かせている。雪解けでドロドロの大地が美しく思えるのは嬉しさをまとっているからだろう。ガチガチに冷えた世界に穏やかな雰囲気を感じる。最近の焙煎は美味しいシティローストを作れるように考えている。浅煎りにストイックに向き合っていたが、そのお陰か焙煎のメソッドにも変化が出てきた。しばらく技術へ目を向けてきたが素材や飲み手へよりシフトしていこうと思う。コーヒー豆のポテンシャルの引き出すことと、仕上げることの違いが朧げに見えてきた気もしている。

何にせよ春の陽光は心地よくていい。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

台風18号

風の音が響く台風18号の影響で風が轟々と鳴り響いている。時折突風が吹きトタンの隙間に風が入るとバンバンと大きな音を立てている。雨はまだ小ぶりだが横から降ってく…

  • 209 view

アカショウビンの声

今朝に森に響くアカショウビンの声を聞いた。今年もやって来てくれたと嬉しいのと安心した。相変わらず綺麗に響く鳴き声だと感心してどの辺にいるかなと眺めていた。しば…

  • 518 view

動機という力

「動機」という言葉が持つパワー感が凄い。動機の有る無しは結果に作用し、それは欲したところで簡単に手に入る類ではない。何となくでは届かない領域といってもいい…

  • 355 view

コーヒーをひとくち

希薄さなんてものが丁度良かったりする時代なのか、それなりに満たされて過ごしているんだなと感じる。憂いているとか、嘆いているの類ではなく、何だか物足りなくて面白くない。…

  • 370 view

コーヒーに触れる

スペシャルティコーヒーの楽しさ日本を飛び出して外国へ行く。それは遊びでも仕事でも知らないこと知る近道だ。知れば知るほどに、行けば行くほどに世界は広くなって…

  • 384 view

ある子猫の生涯

虚無と花子猫が倒れていた。目脂と涎で顔は汚れ失禁していて時折思い出したように苦しく深く息をし、まるで嗚咽するかのようだった。瞳孔は開き血色無く身体は冷…

  • 541 view