夜空に白い渡り鳥が鳴く

  1. DIARY
  2. 1175 view

食べ尽くすのではなく、食べ歩きをするということ

11月になった。
朝晩の冷え込みが増してきた。そろそろ薄氷が張るのかどうなのか、里では紅葉も見頃になった。
午後15時過ぎれば陽が低く差し込み影が伸びている。
夜になると満点の星空に白鳥の声が響いている。冬支度の季節だ。

それはそうと「渡り鳥」は「渡り」よってエネルギーの消耗を節約しているとある記事で読んだ。
要するに「食べものを得るのに必要なエネルギーと、食べものから得られるエネルギーのバランスを効率よくするため」ということらしい。
それは同じ地域にいることで他種間との食物の取り合いを避けることで、寒冷な地域へ渡り、その競い合いから逃れるというのだ。

これはコンピューターでシミュレートした予測であるようだが、なるほど自然界は生存するベクトルが成り立っているのだ。皆で取り合う競争を避けることは翌年の飛来のためになっている。皆で仲良く分け合って食べているというよりは、争いごとを避けているのか、食べ物の豊富な場所へ行くだけのことなのか、何れにせよ生存本能が身についているものだと感心してしまう。

人の世界はどうだ。
押し合いへし合い、騙し騙され…

それだけの辛辣な世界ではないが、これに習ってみるのもいいかも知れない。
人口の少ない地域には、そこに見合った世界があり「活気」が沸いていたに違いない。そこで育まれた多くの人たちもいたはず。過去に見る景色は今はほとんど見えないのだろう。

地域の身の丈にあった発展というと消極的かまたは否定的に聞こえるかも知れないが、妙なバランスの崩れ方は大切な何かを追いやってしまう可能性がある。

渡り鳥のようにはいかないのだ。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

ホトトギスの初音

育ちが早い草があっという間に背丈を追い越した。視界を遮るように生い茂っている。そろそろ草刈りをしなきゃと思いつつ、これがわかっていても何かのせいにして…

  • 823 view

コーヒーについて

10月に入り朝と夜は寒くなった。そろそろストーブに火を着けたいと悩んでしまう気温だ。だから長袖を着て机に向かっている。先日、久しぶりに神戸へ行きコーヒ…

  • 540 view

デスクワークの密かな楽しみ

隣で店長が今日のメニューを書いていた。なかなかスラスラとペンが走らないようで考えあぐねているようだ。時折空を見上げ、指の間に万年筆を挟みパタパタさせている…

  • 341 view

吹く風

風は色々な香りを運んできてくれる4月に集中していた出張も無事に終えて戻ると秋田は梅や桜は満開のようだ。北海道では久しぶりの友人たちに囲まれ色々と刺激をもらった。学…

  • 382 view

なごり雪

春がやって来る窓の外を眺め「なごり雪か…」と店長が呟いた。先日までの陽気は失せて細かい雪が舞っている。冬の間は人の狡さと都合の良さを見たが胸に残る思いは少…

  • 447 view

抽出というのは何事にも通ずるか?

今日はコーヒー豆をできるだけ細かく挽いてドリップした。できるだけといってもエスプレッソ用までにはいかない程度に留める。単なる気分転換だ。抽出されたコーヒーは味…

  • 346 view