遠い国でのこと

  1. COFFEE
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農園に響く生き物の声

朝早くに目が醒めてゲストハウスから一歩踏み出せばそこにはコーヒーの木々がたくさん育っている。

農園は夜明け前に降った雨によってしっとりとした空気の中でけたたましい農夫たちが乗るバイクの音が聞こえてくる。それに混じりたくさんの鳥の声や草むらからは聞きなれない虫の音など多様な音に塗れている。朝の散歩は想像していた優雅なものとは違い自然を独り占めできる予感を大きく裏切った。ただ朝食の準備の音と匂いが何とも言えぬ旅情を掻き立てた。日本とは違う食事の香りや味わいは旅の醍醐味の一つだ。もう少し先に足を伸ばしてみようと思った時、不意に足元をドンっと叩かれた。

「そろそろ起きて!」

朝の清々しい農園の散歩の夢はそんな一声で途切れた。

昨夜遅くまで話し込みその後寝不足もあって泥のように眠ってしまった。

現実はそんなものだ。夢は叶えるもの。

だからまた行くのだ。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

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