ドリップする時の『蒸らし』について

  1. COFFEE
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粉全体が染み込むように

さて「蒸らし」についてだ。
必要か不要かのことではないことを予めお断りしておく。

ここでいう「蒸らし」というのは最初にお湯をかけてサーバーに落ちてきてから、お湯を注ぎ粉が膨らみ始めてから少し落ち着くまでの待機時間のことを指している。この間はサーバー内にはたちたちと少量で濃度の高いコーヒーが抽出されている。ここが上質なコーヒーと言われていることもあるが。

しかし、この蒸らし作業をゆっくり時間をかけて行うと確かに味わいしっかりのコーヒーが抽出されるが、ビシッと重めのコーヒー感になることは否めない。お好みであればなんら問題はないのでそのまま変更しなくてもいいと思う。しかし、ビシッと重めだと飲みにくく思う方は「素早く粉全体にお湯をしみこませる」ことを意識して注いでもらいたい。この場合はサーバー内にはチョロチョロと少量ではあるがコーヒーが流れ出している。

粉の量に対してどの程度のお湯量が必要かは粉量と挽き目が一定であれば体感しやすいので何度かチャレンジして欲しい。これだけでも後味の重たさは薄いのではなく軽やかになり、味わいの綺麗さを理解しやすいと思う。時間にして大体15秒〜20秒くらいが私の目安になっている。何事にもバランスは必要でコーヒーも同様だ。時間の掛け過ぎも、早過ぎても味わいは整わない。濃度に対しての味わい(酸味・苦味・甘味)がお好みに最適化されていれば何よりだ。

抽出時間や蒸らし時間を変更するよりも豆量を変更した方が上手く調整しやすいので是非お試し頂きたい。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

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