春よ来い

  1. DIARY
  2. 373 view

いつの間にか2月になっていたなんて言わない。
年末からの大雪でどこもかしこも雪に埋もれてしまった感じの、記録的な、これぞ雪国といった風景の中での暮らしを振り返ってみるとどうだったろうか。口ではしんどいしんどいと繰り返して除雪に追われていたものの、心の何処かではどこまでも嫌う感じがなかったように思う。きっとこの冬に南国へ長期間行ってしまえば、冬の感じがしないと多少の不満を漏らしたに違いない。まるで雪室の中にいるような時が止まってしまったかのような、熟成された心持さえ感じている。

2月23日は会社の誕生日だ。
6周年を迎えられたことにただただ感謝しかない。
コロナ禍で何もかもよく分からなくなりそうで不安を握り潰して色々なことに挑戦したなと、握ろ潰した不安が何へと変化したのか思い返したりすると、特にものづくりへのエネルギーへとなっていたと思う。眼に見えないものの怖さを感じたこの1年は未だ終わりではないが、それでも少し前へと進むことで良いと感じている。その中で多くの方々に支えられてきたことに胸がいっぱいになる。

そして嬉しいこともある。
1年ほどコロナ禍で出張もできないでいるが「季刊誌 日本で最も美しい村新聞」のカメラマンとして多くの町や村を訪ねて来た。その新聞が書籍化へ向かっているということは、私にとってはとても嬉しいことだ。只今新聞の編集長がクラウドファンディングに挑戦中で興味を持たれた方は下記のリンク先をぜひ読んで欲しい。

「日本で最も美しい村」新聞を書籍化、多様な働き方を実現できる社会へ

「日本で最も美しい村」新聞を書籍化、多様な働き方を実現できる社会へ
「日本で最も美しい村」新聞を書籍化、多様な働き方を実現できる社会へ
以下引用

全国にあるさまざまな地域の書店や図書館で手にとっていただけるような挑戦を始めることにしました。
2020年12月現在、Vol.34をリリースしています。この季刊誌は毎号5,000部から8,000部を配布してきましたが、現状、限られた場所でしか販売されていません。コロナ禍もあり、なんだか窮屈さが増している都会の暮らしだから、今こそ「美しい村の言葉」を届けたい。美しい村に触れて欲しい。そんな気持ちから季刊紙の書籍化に思い至りました。2012年から2020年まで取材した30町村の中から、すでに編集及びレイアウト作業を終えました。

取材時は多くは人との出会いや食文化に触れては「ハッ!」とさせられたことは少なくない。美しさは景観のみならず、暮らしであり、声であり、またこぼれ落ちた言葉であったりと幾度となく身に沁みる想いに駆られるものだった。

私にとってコーヒーも旅だった。
そして写真も旅だった。

旅での出会いは自分を膨らませ、イメージも濃く鮮明になっていった。それらは出会う人たちの言葉や眼差しによって、または間近で受ける感触などだ。百聞は一見に如かずとはよく言ったもので、言葉だけでは埋まらず、見るだけでも足りず、触るだけでは決められない、三位一体が一瞬のうちに覚悟を決める要素になっているのだと感じている。

身体や記憶にも温かさの残るものづくりをし続けたいと思っている。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

季節は巡り秋

虫の音が響く夜と潮騒夏が過ぎて秋がやってきた。夏は酷暑だった。夏の甲子園は103年ぶりの決勝進出だった。しかし決勝戦では大阪桐蔭に敗れてしまっ…

  • 384 view

2022年もよろしくお願いいたします。

あっという間に過ぎたと言ってしまえば2021年は何もなかったように感じてしまうが、振り返ればこれまた多くの皆様に支えられて来たと心にズシっと重みを感じている。もうコロナ禍…

  • 358 view

caffe gita yokote2周年

あっという間の2周年4月10日でcaffe gita yokoteはおかげさまで2周年を迎えることができました。皆様から沢山のご愛顧頂き心より感謝申し上げます。毎…

  • 350 view

携帯電話から解放された日

とにかく不便を感じる違和感ギリギリで新幹線に飛び乗り座席に座り一仕事しようとしたら携帯がうまく繋がらない。アレもコレも移動中に済ませようと車の運転中に段取りを考えてい…

  • 536 view

言い訳の作られ方

煮詰まった。頭の中で描いては紙に書き出しを繰り返していた。書いているノートの上に子猫にしては大きくなったピノが寝そべったままノートを覆い尽くすほど伸びてこちら…

  • 405 view

紛れこむものの作用

カエルの合唱が風に乗って聞こえてくる。そろそろ田圃に水が入る季節だと知れる。こういう里山の田舎では自然からたくさんの便りがある。今年も「アカショウビン」が来て…

  • 324 view