八月

  1. DIARY
  2. 444 view

長梅雨のようで、スパッと晴れる日がない。
時折雲が切れて綺麗な空が広がっていると、ついつい嬉しくなってプラプラと出かけては、童心に帰ったように夜道の街灯の下をカブト虫なんかを探してしまう。今年は夏のお祭りやイベントはほとんど無くなり、ポッカリと時間が空いているからか、ちょっとした時間を振り返り懐かしんだり、夢中になったりと空いた隙間もいつの間にか埋まっているものだ。

八月。
いったい夏はどこからやって来るのだろうと、しばらく考えている。南からやって来るのか、西から流れて来るのか、または地面から湧いて来るものなのか、空から舞い降りて来るものなのか、いつの間にか夏になっているし、そう感じてしまうのは自然の、地球の優しさのようなものなのか。

週間天気予報は今週はずっと曇りか雨かで嫌になる。
暑過ぎるのもあれだけど、そろそろお盆だし夕暮れ時のヒグラシの声は風情が弱い。どんより粘ついた湿気の中で聞こえるミンミンゼミやアブラゼミの鳴き声は少し重たい。走行していると東北の短い夏は通り過ぎてしまう。今年はお祭りも中止だけど、秋田の夏は風情があって好きだ。こういう時こそ、地域の良さにアンテナを向けてちょこちょこと歩き回っていると近所にこんな素敵な場所があるのかと、散歩がてらに気付くことが多い。

もう枯れてしまったが今年も百合が綺麗に咲いて強い芳香を漂わせていた。
草刈りした後の青臭い中でまるで香水のように甘く強い香りが光っているように感じる。

唐辛子の苗を植えた畑は、草が伸びに伸びていて唐辛子というよりはピーマンだよねっていうものに育っていた。植物はもっともっと観察してみないと値札だけでは分からないものだのかも知れない。今年は例年のようにはいかないが、挑戦するには良い機会だろう。

素敵な夏を。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

前進と後退

「働かないで生きていけないかなー」「無理でしょ?」黒田硫黄 茄子1巻 ランチボックスここ何日か、周りの人と話をしていると学校の卒業式やそれに伴う飲…

  • 627 view

今日春蝉が鳴いた

森の奥の方から聞こえてきた。シャンシャンと響く声を聞いて何やら落ち着かなくなってきた。春蝉が鳴き始める頃、窓を開けると心地よいそよ風が流れ込み、緑がキラキラと…

  • 338 view

書けないから、書く

お湯割と焼きめざし何か書こうと思いパソコンを開いてみたが、昼間に思い付いたことが夜になって思い返すと書くほどというか書きたいほどでもない。仕方なく熊本へ行った…

  • 176 view

遅い夕食

近所で美味しいラーメンが食べれる幸せよ。アリラン カルビキムチラーメン。…

  • 326 view

考えているうちに冷めたコーヒーの味

雨音を聞きながら本を読んでは涙し、映画を観ては涙する。もう少し若い頃には感じもしないことだった。寒いなと思っていたら駒ケ岳で初冠雪したようだ。里山も紅葉に包まれて…

  • 369 view

春の匂いがしている

不安と期待を越えていく高校を卒業して大学進学までの少しの間、友達の家へ毎日のように遊びに出かけてはギターを弾いていた思い出がある。特に上手いこともなく、あれを弾けるよ…

  • 393 view