変化していく面白さ

  1. COFFEE
  2. 507 view

コーヒーを楽しむ

昨日は無事に「caffe gita yuzawa」をリニューアルオープンできてホッとした。
ご来店くださった皆様からお土産の品を戴いたりと、たくさんのご来店があった訳ではないが終日人が途切れなかった。初めてご来店された方や、懐かしい顔ぶれにホッとさせられたりと改めて胸を撫で下ろしたくなる。

1種のコーヒー豆に絞り、ローストを使い分けてドリップやエスプレッソなどを抽出していくことの面白さは確かにあった。ただただ選べない不便さも否めなかったが。でも、あれもこれも使いコーヒーを淹れることとは違った緊張感が終始身の回りを包んでいる感覚は新鮮だった。これでもかというくらいエスプレッソの味見をし、少し欲張ったら味が破綻し始めたりと、実に面白い勉強だった。

集中すると色々な味わいや変化が見えてきた。
素材の持ち味を把握し、その都度フィードバックしていく感じは今後の焙煎にも良い結果を引き出せる気がしている。

今まで見てきた農園やカフェ、バリスタとのコミュニケーションなどが溢れて出てくる感覚でコーヒーを抽出できるのは本当に嬉しかった。1杯のコーヒーの中にどれほどの景色を織り交ぜれるのか色々と試してみたい。

変化していく

焙煎する前にこんな味わいに仕上げたいとイメージするのだが、それはドリップでのことかエスプレッソでか、ラテなのか、そんな難しく考えなくていいと自分でも宥めてみたりはするけれど、イメージは膨らんでいくから仕方がない。コーヒー豆を窯から出すときに時間も温度も見ないでチェックスプーンから救い出す豆面を見て判断する。あと数秒過ぎたらどうなるのかなどと、まるで海に落ちていく夕日のように刻々と変化するコーヒー豆を見て思う。

焙煎だけでなく、抽出時間や温度、コーヒー豆の粒度、組み合わせは何通りにもなる。
その都度変化していくコーヒーの周波数に自分を合わせていくのは面白い。

変化というのは大変なことだが、必要なことでもある。

コーヒー豆を1種に絞ることできることが増えたが、それゆえユーザビリティは低くなってしまった。
きっと客さんを選ぶお店になってしまったかも知れないが、あれもこれも試してみたい方は「caffe gita yokote」がいいかも知れないな。また、秋田県南部にはカフェやコーヒー屋さんが多く増えているし、何よりクオリティも高いと思う。機会があれば是非お立ち寄り願う。

GWも半ばを越えた。どうか素敵な連休を。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

抽出されたコーヒーの中には

たくさんの人の手遅ればせながら「A FILM ABOUT COFFEE」を観た。生産地へ訪問し始めてから見てきたものが画面に映っていた。知らない内に色々な体験をさせて…

  • 356 view

簡単ハンドドリップ

「ドリップのコツはなんですか?」と聞かれることがある。仕事柄に当然と言えばそうかも知れない。技術的な内容を望んでいることは何となしに分かるが、技術的に…

  • 431 view

コロンビア気分

コーヒーを飲みたくなって大抵手が伸びるのはコロンビアだ。こればかりは20年近く変わっていない。どうしてか。自分でも分からないでいるが、コロンビアの持つ安心感の…

  • 427 view

ブラジル新入荷

Fazenda Recreio イエローブルボン亜種今回新しく入荷したコーヒー豆は「ヘクレイオ農園 パルプドナチュラル」です。今まで取り扱っていた「アルトアレグレ農園…

  • 528 view

『四季の珈琲 VOL.44』へ寄稿しました

コーヒーを仕事にするということ4月にカナダ・アメリカへ出張したことを『四季の珈琲 VOL.44』へ寄稿した。私は開業してから今年で15年目を迎え、コーヒー…

  • 663 view

ブレンドするということ

ブレンドを考えていると日が暮れるシングルオリジンといえば、農園の特徴や単一品種の風味などを楽しめる。ブレンドコーヒーは、味わいが広がるのだ。ブレン…

  • 436 view