八月

  1. DIARY
  2. 459 view

長梅雨のようで、スパッと晴れる日がない。
時折雲が切れて綺麗な空が広がっていると、ついつい嬉しくなってプラプラと出かけては、童心に帰ったように夜道の街灯の下をカブト虫なんかを探してしまう。今年は夏のお祭りやイベントはほとんど無くなり、ポッカリと時間が空いているからか、ちょっとした時間を振り返り懐かしんだり、夢中になったりと空いた隙間もいつの間にか埋まっているものだ。

八月。
いったい夏はどこからやって来るのだろうと、しばらく考えている。南からやって来るのか、西から流れて来るのか、または地面から湧いて来るものなのか、空から舞い降りて来るものなのか、いつの間にか夏になっているし、そう感じてしまうのは自然の、地球の優しさのようなものなのか。

週間天気予報は今週はずっと曇りか雨かで嫌になる。
暑過ぎるのもあれだけど、そろそろお盆だし夕暮れ時のヒグラシの声は風情が弱い。どんより粘ついた湿気の中で聞こえるミンミンゼミやアブラゼミの鳴き声は少し重たい。走行していると東北の短い夏は通り過ぎてしまう。今年はお祭りも中止だけど、秋田の夏は風情があって好きだ。こういう時こそ、地域の良さにアンテナを向けてちょこちょこと歩き回っていると近所にこんな素敵な場所があるのかと、散歩がてらに気付くことが多い。

もう枯れてしまったが今年も百合が綺麗に咲いて強い芳香を漂わせていた。
草刈りした後の青臭い中でまるで香水のように甘く強い香りが光っているように感じる。

唐辛子の苗を植えた畑は、草が伸びに伸びていて唐辛子というよりはピーマンだよねっていうものに育っていた。植物はもっともっと観察してみないと値札だけでは分からないものだのかも知れない。今年は例年のようにはいかないが、挑戦するには良い機会だろう。

素敵な夏を。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

屋根に雨音が響いている。しかし…

新型コロナウィルスは自分の首まで絞めさせるのか春先の景色にしては雪解けが早い。近くの側溝に流れる水の勢いは割と穏やかで緑が広がり始めた。賑やかだったフキノトウやフ…

  • 470 view

桜はもう

コーヒーと恋愛春になるとなんとなく口ずさんでしまう歌がある。サニーデイ・サービスの『東京』というアルバムは1996年に発表された。もう21年前になるけれど…

  • 455 view

梅雨入りしたそうな

秋田県も梅雨入り例年に比べて少し遅く梅雨入りしたようだ。昨日まで好天で汗ばむ日だったが、一日中しっとりとした空気の中少し肌寒かった。パラパラと雨音を聞きながら…

  • 228 view

夏から秋の匂いへ

9月だ。空が変わり、風が変わり、匂いも音も変わってきた。そういう自然を肌で感じられることは、どこか自然と繋がっているようで心地がいい。先日は青森県の佐…

  • 374 view

携帯電話から解放された日

とにかく不便を感じる違和感ギリギリで新幹線に飛び乗り座席に座り一仕事しようとしたら携帯がうまく繋がらない。アレもコレも移動中に済ませようと車の運転中に段取りを考えてい…

  • 563 view

雨の雪景色

ドカドカと降ったものの先日、出張から戻ると連日の大雪になっていた。1月は積もった雪はほぼ消えてしまっていたのだ。暖冬とはいえ、あまりの雪の少なさに不安さえ…

  • 373 view