海辺へ

  1. DIARY
  2. 336 view

雨粒の予感を肌に持ちながら海までやって来た。
蚊は耳元をかすめて首から肩の辺りを探って飛んでいるがあまり気にならなかったが、夕方過ぎの海辺は少し涼しくて、そのうちに寒くなった。山里に住む自分には海辺の音はいつも新鮮で聞き入ってしまうが、繰り返す波の音は同じように聞こえているがやはり同じでないなと改めて思う。同じと思い込んでいるうちは何も変わらないのだろうし、日常の中で、そう思っていることは多い。例えばコーヒーの抽出もそうだ。同じ瓶から計量した豆を同じように挽きお湯をかける。どこから違和感を感じ取っていくのかは積み上がったアンテナ次第で異なるのだろう。違和感の誤差を自分で決めて、変化を加えていくことで同じようなものを作るか、少し新しいものへ向かうのか、いつも決めかねてしまう。
いつも一定なものなどそうそうないのだと思う。

あやふやな考えを転がしながら歩いているが、足下でぴょんぴょんと跳ね回っている小さな虫たちは一体何者だ?薄暗い浜辺で見ると砂が弾けているようにも見えるが、考え事している時に足元が賑やか過ぎるとやや気が散る。

自然の動きが穏やかに見えて心地よかった。
梅雨時期の湿った空気が心地よく感じることもあるのだと思ったが、九州地方での雨による被害を聞くと苦しくなる。
年々自然災害の被害が大きくなっているようにも感じる。

秋田では梅雨らしく湿度の高い日が続いて紫陽花が元気に咲いている。
数日前からヒグラシが鳴くようになった。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

caffe gita yokote2周年

あっという間の2周年4月10日でcaffe gita yokoteはおかげさまで2周年を迎えることができました。皆様から沢山のご愛顧頂き心より感謝申し上げます。毎…

  • 377 view

ある日の森

クマがやって来た早いもので9月も終わりかけになった。8月の暑さはお盆前からの長雨で穏やかになって夏は急に大人しくなっていった。それでも時折の晴れ間にはミンミン…

  • 463 view

コーヒーをひとくち

希薄さなんてものが丁度良かったりする時代なのか、それなりに満たされて過ごしているんだなと感じる。憂いているとか、嘆いているの類ではなく、何だか物足りなくて面白くない。…

  • 352 view

吹く風

風は色々な香りを運んできてくれる4月に集中していた出張も無事に終えて戻ると秋田は梅や桜は満開のようだ。北海道では久しぶりの友人たちに囲まれ色々と刺激をもらった。学…

  • 385 view

抽出というのは何事にも通ずるか?

今日はコーヒー豆をできるだけ細かく挽いてドリップした。できるだけといってもエスプレッソ用までにはいかない程度に留める。単なる気分転換だ。抽出されたコーヒーは味…

  • 351 view

8月

暑くも寒くもない梅雨入り前のほんのわずかな季節も良かった。あっという間と言ってしまえば簡単に時間を飛ばせてしまうが、あっという間と言えないほどの良い時間を過ご…

  • 358 view