天をも焦がす音

  1. DIARY
  2. 260 view

菖蒲太鼓

後三年 秋の陣 in 金澤 2017〜出陣前夜〜にてコーヒーを提供してきた。地元の若者中心が行動し作り上げた前夜祭はとてもエネルギーに満ちていて胸にずしずし響いてきた。数ヶ月前から準備をしてきたようで、弊社従業員の地元ともあって出店のご依頼まで頂いた。結果、とても心に残る時間にもなった。仕事柄様々な地域へ訪れて若い人たちの話を聞いたり行政のお話を聞いたりもしているが、若い人が持つマンパワーの集合体は声や音となり人の心に何かしらを残していくようだった。コーヒーを抽出しながら地元のご年配の方としばしお話をしたところ、優しく厳しい視線で見守られていたことに感激してしまった。若さゆえ反発する言葉も含むことはあるかも知れないが実に優しい眼差しで喜んでおられた。

そして「今日ここで出店してくれてありがとうな」と一言お礼を残してくれた。

若い頃の自分は厳しさの中にある優しさには気が付けなかった。厳しさは厳しさとして、優しさは優しさとしてでしかなかった。だから考えるまでもなく心は削られたり満たされたりで忙しかった。考えることさえしていなかったのだろう。自分にとって魅力的なものだけに、または都合の良いことだけに惹かれていったことは少なくなかった。もちろん厳しさを好きになれとは言わないが、水面の波紋に目を向けるだけでなく水面かを想像してみろと、その時の自分に言ってやりたい。そんな若い頃の自分を思い出す時間になった。

声は小さくとも心の声が何かの拍子に音となって誰かの胸に刺さることがあるってことだ。
説教じみた文章だな。

昨夜に聴いた太鼓の音は自分を過去に遡らせた。いっとき天を焦がすほどの音は直ぐさままた天に呑まれていくのだ。それほど大きい。そこにどれだけの余韻を残せるかな。やり甲斐ってそんなことだと思う。

勉強になった。

本当に素敵なお祭りだった。感謝。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

デスクワークの密かな楽しみ

隣で店長が今日のメニューを書いていた。なかなかスラスラとペンが走らないようで考えあぐねているようだ。時折空を見上げ、指の間に万年筆を挟みパタパタさせている…

  • 373 view

ご無沙汰しております。

月日が経つのは早いもので、振り返れば色々なことがあった。Webマガジンというコーヒー片手につらつら読んでもらえればと思い、身近にあることや、遠く海外のこと、そして不意…

  • 101 view

言い訳の作られ方

煮詰まった。頭の中で描いては紙に書き出しを繰り返していた。書いているノートの上に子猫にしては大きくなったピノが寝そべったままノートを覆い尽くすほど伸びてこちら…

  • 492 view

磨くということ

技術を磨くことと自分を磨くこと焙煎で思うようにいかず悩ましい日々を過ごしていた頃があった。もちろん今だって上手く出来ないこともある。しかし今思えば、技術と…

  • 256 view

いつか誰かの言葉が目覚める日

ハッとさせられる頭の片隅に置かれて埃を被っていたかのように、そういえばそんなこと話したなと思い出す。あの時話した中に印象に残っていた言葉の埃を払ってみる。シン…

  • 322 view

831

夏はそろそろ後ろ姿を見せているように感じる。長梅雨はこれでもかというほどに雲を覆いかぶせていたものの猛暑に切り替えてきた。とは言え、朝夕の気温はお盆を越えて穏…

  • 477 view