遠くで考える移住のこと

  1. DIARY
  2. 497 view

自分の住む街のことを想いながら眺めてみると

何かと出張が多いが先日は東京へ行ってきた。
今年の7月から行われていた「ターンズのがっこう 秋田科」のラストイベントに顔を出す。

男鹿市への移住者向けのツアーなどがあり微力ながら撮影等のお手伝いをしてきた。
仕事で「日本で最も美しい村」の取材先でも移住された方々はよく撮影してきた。地方への移住を考えている人の話や、それぞれの想いには少ないが接してきている。私が何かできることでもないが、私の中で「移住」というキーワードはここ数年で上位に上がってきていた。

「移住」の中には様々な人の想いが含まれていて、新天地というだけで終われないものだ。
世の中も「地方」に焦点を当てることが増えてきて移住は敷居も窓口も大きくなってきたかも知れないが、移住するご本人の勇気や覚悟は何よりも必要とする。

移住はなかなか重たい「言葉」に感じている。もっと軽やかに舞う花びらのようでもいい。そして幸として、そこに種が落ちて芽が伸びたら、浴びる陽光や吹き抜ける風もが自分を教えてくれると思う。

地域にはまだまだ多くの可能性が残っているのだが、それを巧く活かせられていないのも事実としてある。地域としても移住を最終目的としないで関係人口の増加にベクトルが振られていることもあろうと思う。移住の水面下では様々な不安ごとと期待感が蠢いているのだろうと察するのだが。

イベントでは地元愛に触れられて良かったと思っている。
仕事であれ、何であれ、地元への関係性を良質に保とうとする人や、仲間を増やしたい人も、秋田への愛着を感じた。これが地方創生の「コア」なのだとも思う。ここで地方創生を出してしまえば様々な誤解を生む恐れがあるが仕方ない。国が打ち出したものであればこそ、そう容易いことではない。

そこが好きで住める人、そうでない人を含め地域は機能していくのだから、楽しみを生める人には人が集まってくる。それは小さなエリアでも可能だ。色々な地方を訪れて出会う移住者の中にはそういう方が多くいた。

自分づくりを怠らないのだ。

強く美しく生きるために、削られていくものと磨かれ光り始めるもの、人が本来持つ能力は身体のどこかに埋まっているのかも知れない。それがいつの日かひょんな事で見つかることがあると思う。それが移住なのか、仕事なのか、遊びなのか。悩まなくていいのだ。毎日を自分を楽しめば良い。

はは、何を偉そうに。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

もし子猫になった場合

足元に蜂が落ちていた。もう息絶え絶えに動かなくなっていて、ツンツンとしても微かに触覚が動いたような気がするくらいだった。ここで絶えるのも不憫と思い窓の外へ運び出す…

  • 280 view

雨上がりの湿った光

パラパラと落ちてくるくらいの雨上がりに日差しが戻ってくるとほんのり蒸し暑くなった。そのタイミングで蚊が飛んできてひと刺し狙ってくるがその手には乗るものか。…

  • 390 view

いつか誰かの言葉が目覚める日

ハッとさせられる頭の片隅に置かれて埃を被っていたかのように、そういえばそんなこと話したなと思い出す。あの時話した中に印象に残っていた言葉の埃を払ってみる。シン…

  • 264 view

8月1日

あっという間に8月になった梅雨入りから梅雨明けまでの景色は草の背丈で夏を感じてこれたのだけど、梅雨明けしたら途端に暑くなった。今年は強い雨が局所的に降って…

  • 258 view

『春近し』と思えば叶う

しばらく出張が続く2月に入ってから出張がポンポンとあり5月くらいまで方々へ行ってくる。九州、北海道、神戸、東京、新潟、バンクーバー、シアトル、北海道ととても賑…

  • 233 view

ある子猫の生涯

虚無と花子猫が倒れていた。目脂と涎で顔は汚れ失禁していて時折思い出したように苦しく深く息をし、まるで嗚咽するかのようだった。瞳孔は開き血色無く身体は冷…

  • 516 view