燃えるような空はあっという間に燻んで冷めていった。
早くも10月は終盤を迎えてしまい、紅葉は里山までに降りてきた。こちらの記事の更新では、あれよこれよといい加減な言い訳をこぼしながら書こうか書くまいか悩んだフリを繰り返したに過ぎない。
更新しながらの反省はいつもながらになっている。
色々と試してみたいことが増えてきて時間割でも再考しようとノートに綴ると、確かにそれほど余裕がないことに気付き、気を取り直してコーヒーを啜りながら引き算をする。そうしている内に頭が整理されていきクリアになったところで思い出したのが、がむしゃらになって焙煎にのめり込んでいた頃のコーヒーの味だった。
開業当初の頃は美味しさの基準なんてどこにあるものやらと目的地も定まらないままに彷徨い歩いていた感があった。それでも彷徨い続けていると何かしらに出会うコーヒーや人たちがいて、ささやかだけど美味しさへの指標を積み上げてこられた気がしている。そんな方々で出会ったコーヒーの味わいのほとんどがコロンビアだった。うまく焙煎できなかったのもコロンビア、他のコーヒーは上手に焙煎ができたかと言うとそうでもないのだが、いつも何か引っかかってしまうのがコロンビアだったから、どこへ行っても頼むほとんどがコロンビアだった。
そんなコーヒーの味の集大成はどんなものだったか、結論から言えるほど軽いものではない。
噛み締めるほどに思い出が滲んできてしまう、香りを追いかけている内に夜明けが来てしまう。
つまりコーヒーには没頭できる入口が何処かに存在していると言い切ってしまおう。
それではまた。