いつかの空、いつかのコーヒー

  1. COFFEE
  2. 452 view

燃えるような空はあっという間に燻んで冷めていった。
早くも10月は終盤を迎えてしまい、紅葉は里山までに降りてきた。こちらの記事の更新では、あれよこれよといい加減な言い訳をこぼしながら書こうか書くまいか悩んだフリを繰り返したに過ぎない。
更新しながらの反省はいつもながらになっている。

色々と試してみたいことが増えてきて時間割でも再考しようとノートに綴ると、確かにそれほど余裕がないことに気付き、気を取り直してコーヒーを啜りながら引き算をする。そうしている内に頭が整理されていきクリアになったところで思い出したのが、がむしゃらになって焙煎にのめり込んでいた頃のコーヒーの味だった。

開業当初の頃は美味しさの基準なんてどこにあるものやらと目的地も定まらないままに彷徨い歩いていた感があった。それでも彷徨い続けていると何かしらに出会うコーヒーや人たちがいて、ささやかだけど美味しさへの指標を積み上げてこられた気がしている。そんな方々で出会ったコーヒーの味わいのほとんどがコロンビアだった。うまく焙煎できなかったのもコロンビア、他のコーヒーは上手に焙煎ができたかと言うとそうでもないのだが、いつも何か引っかかってしまうのがコロンビアだったから、どこへ行っても頼むほとんどがコロンビアだった。

そんなコーヒーの味の集大成はどんなものだったか、結論から言えるほど軽いものではない。
噛み締めるほどに思い出が滲んできてしまう、香りを追いかけている内に夜明けが来てしまう。

つまりコーヒーには没頭できる入口が何処かに存在していると言い切ってしまおう。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

海へ

海が聞こえる海へ行った。久しぶりに写真というものが楽しく難しいと感じた。仕事ではサクサクと進めるように感じていたものが、ふとした時に感触を得なかった。…

  • 341 view

2019

年が明けて思うこと多し年が明けてお正月だ。それぞれに過ごす楽しいことも多い時期かも知れないな。私てきにはいつもと変わらないお正月になっている。コ…

  • 521 view

田圃の中で考えたクリエイティビティ

新しいものを生む想像力男鹿市五里合にある「こおひい工房 珈音」さんの田んぼで稲刈りをしてきた。6月下旬から7月下旬の頃に「蛍カフェ」のコラボレーション…

  • 372 view

ルワンダ新入荷

インゾブ スプリーム随分以前にルワンダのコーヒーを使ったことがあり、それ以来の入荷です。今回のコーヒー豆はしっかりとした味わいがあり力強い印象です。香りはフラ…

  • 669 view

NIIGATA COFFEE FESTIVAL 2017 A…

長岡までの道中は本日開催の『NIIGATA COFFEE FESTIVAL 2017 Autumn』のため昨夜に長岡入りした。夕方に秋田を出発して途中でラーメ…

  • 372 view

水たまりの底までビシッと凍ってる

久しぶりの道東@釧路明日から撮影で釧路までやって来た。秋田空港で滑走路の除雪作業の為30分遅延した。千歳発の釧路行きまでには乗り継ぎできない可能性が高いと…

  • 467 view