いつかの空、いつかのコーヒー

  1. COFFEE
  2. 455 view

燃えるような空はあっという間に燻んで冷めていった。
早くも10月は終盤を迎えてしまい、紅葉は里山までに降りてきた。こちらの記事の更新では、あれよこれよといい加減な言い訳をこぼしながら書こうか書くまいか悩んだフリを繰り返したに過ぎない。
更新しながらの反省はいつもながらになっている。

色々と試してみたいことが増えてきて時間割でも再考しようとノートに綴ると、確かにそれほど余裕がないことに気付き、気を取り直してコーヒーを啜りながら引き算をする。そうしている内に頭が整理されていきクリアになったところで思い出したのが、がむしゃらになって焙煎にのめり込んでいた頃のコーヒーの味だった。

開業当初の頃は美味しさの基準なんてどこにあるものやらと目的地も定まらないままに彷徨い歩いていた感があった。それでも彷徨い続けていると何かしらに出会うコーヒーや人たちがいて、ささやかだけど美味しさへの指標を積み上げてこられた気がしている。そんな方々で出会ったコーヒーの味わいのほとんどがコロンビアだった。うまく焙煎できなかったのもコロンビア、他のコーヒーは上手に焙煎ができたかと言うとそうでもないのだが、いつも何か引っかかってしまうのがコロンビアだったから、どこへ行っても頼むほとんどがコロンビアだった。

そんなコーヒーの味の集大成はどんなものだったか、結論から言えるほど軽いものではない。
噛み締めるほどに思い出が滲んできてしまう、香りを追いかけている内に夜明けが来てしまう。

つまりコーヒーには没頭できる入口が何処かに存在していると言い切ってしまおう。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

夏も短ければ残暑もないのか?

夜には13度になり霧が立ち込めてきた梅雨入り前とその合間には夏らしいお天気と気温があった。梅雨明けしてみるとこれはどうだ、めっきり涼しくなっていたような気がす…

  • 255 view

カッピングスプーン

コーヒー豆を知ること仕事柄コーヒー豆について色々と聞かれることが多い。香りや味わいはもちろん、栽培のことや精製方法や生産地でのこと、また技術的なことも然り、色…

  • 795 view

ある日のコーヒーの香り

秋の夕暮れコーヒー日が暮れ始めると途端に寒くなってくる。あっという間に10度くらいまで下がりそろそろストーブの準備をしなくてはと思うこの頃だ。店内は焙煎機…

  • 391 view

桜が咲きましたよ

りんご畑の消毒の音と山里の桜数日前から陽気なお天気で、思わず半袖になってしまいそうな気温がとても良かった。しかし昨日から薄曇りの小雨模様になり気温は低…

  • 434 view

雨上がりの湿った光

パラパラと落ちてくるくらいの雨上がりに日差しが戻ってくるとほんのり蒸し暑くなった。そのタイミングで蚊が飛んできてひと刺し狙ってくるがその手には乗るものか。…

  • 409 view

梅雨時の散歩

6月12日より横手店を時間短縮で営業再開をした。何とか続けていられることに感謝しかない。新型コロナウィルスの第2波が来るのかどうなのか等、囁かれている中で不安…

  • 362 view