今日春蝉が鳴いた

  1. DIARY
  2. 327 view

森の奥の方から聞こえてきた。
シャンシャンと響く声を聞いて何やら落ち着かなくなってきた。春蝉が鳴き始める頃、窓を開けると心地よいそよ風が流れ込み、緑がキラキラと光り、暖房も冷房も要らぬ大変心地よい季節となる。焙煎をしていても程よく、心なしか上手く焼けちゃう気がするくらいだ。
そんな季節が好きだ。

書き始める前にきちんとコーヒーを淹れて傍に置いた。
書きながら集中し始めたら、おそらくはこのまま冷めるであろうカップの中のコーヒーは数時間前まではアツアツの焼き立てだった。インドネシアのギラついた太陽や、ねっとりとした空気を思い出していたに違いない。ミルに放り込み、贅沢に豆を使い更に極粗挽きにして、軽やかであり透き通った美しい酸を持たせつつ、しっかりボディもあり余韻にはウッディな印象を感じる自分好みの味に仕上げてみた。香りは豆をふんだんに使っているので言うまでもない。

ところで蚊が2匹部屋に入り込んだようだ。
耳元で集中力を奪いにかかっているが、その手には乗らない。足元へ向かったところで胡座をかいているから無駄だ。あれこれと飛んでは離れていくが、向かう敵は蚊ではなく今日は何を書くか定まらず、話が飛んでいる蚊の如くこの文章だ。いつもはこのくらいでお茶を濁してしまうところだが、そればかりでは今後は読者様に先を読まれてしまう。もう少し考えようかと思っている。

何か面白いことが書けるならとうに書いているわけだ。
それでは何故に書くのかというと、書く癖を付けたいのと、書き続けた先の自分に出会いたいと思っている。
いつも何処かでピタリと止まっていたし、休憩のつもりがえらく期間が開いた時もあった。適当な休む言い訳をすればこのブログ程度なら何ら波風も立たないのを知っている。だからそういうのが問題なのだと考えた。

目標へ向かうことはいつでも自分との対峙だ。
今日は書けずとも明日も向き合うべし。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

書けないから、書く

お湯割と焼きめざし何か書こうと思いパソコンを開いてみたが、昼間に思い付いたことが夜になって思い返すと書くほどというか書きたいほどでもない。仕方なく熊本へ行った…

  • 164 view

海へ

海が聞こえる海へ行った。久しぶりに写真というものが楽しく難しいと感じた。仕事ではサクサクと進めるように感じていたものが、ふとした時に感触を得なかった。…

  • 322 view

厄払いと同窓会

秋田では中学の同級生が集まり厄払いをしているのですが、これは珍しいとのこと子どもの頃からそういう風に見聞してきたので特に珍しいこともなく感じていたのだが、「厄…

  • 4404 view

忘れ草

梅雨明け、湯沢、夏のひとり言梅雨明けして夏になった。梅雨明けしたら夜は涼しくなり虫の鳴き声が響いている。空の雲は秋のように広がって夏がそろそろ終盤近くに感…

  • 223 view

いつか誰かの言葉が目覚める日

ハッとさせられる頭の片隅に置かれて埃を被っていたかのように、そういえばそんなこと話したなと思い出す。あの時話した中に印象に残っていた言葉の埃を払ってみる。シン…

  • 248 view