今日春蝉が鳴いた

  1. DIARY
  2. 346 view

森の奥の方から聞こえてきた。
シャンシャンと響く声を聞いて何やら落ち着かなくなってきた。春蝉が鳴き始める頃、窓を開けると心地よいそよ風が流れ込み、緑がキラキラと光り、暖房も冷房も要らぬ大変心地よい季節となる。焙煎をしていても程よく、心なしか上手く焼けちゃう気がするくらいだ。
そんな季節が好きだ。

書き始める前にきちんとコーヒーを淹れて傍に置いた。
書きながら集中し始めたら、おそらくはこのまま冷めるであろうカップの中のコーヒーは数時間前まではアツアツの焼き立てだった。インドネシアのギラついた太陽や、ねっとりとした空気を思い出していたに違いない。ミルに放り込み、贅沢に豆を使い更に極粗挽きにして、軽やかであり透き通った美しい酸を持たせつつ、しっかりボディもあり余韻にはウッディな印象を感じる自分好みの味に仕上げてみた。香りは豆をふんだんに使っているので言うまでもない。

ところで蚊が2匹部屋に入り込んだようだ。
耳元で集中力を奪いにかかっているが、その手には乗らない。足元へ向かったところで胡座をかいているから無駄だ。あれこれと飛んでは離れていくが、向かう敵は蚊ではなく今日は何を書くか定まらず、話が飛んでいる蚊の如くこの文章だ。いつもはこのくらいでお茶を濁してしまうところだが、そればかりでは今後は読者様に先を読まれてしまう。もう少し考えようかと思っている。

何か面白いことが書けるならとうに書いているわけだ。
それでは何故に書くのかというと、書く癖を付けたいのと、書き続けた先の自分に出会いたいと思っている。
いつも何処かでピタリと止まっていたし、休憩のつもりがえらく期間が開いた時もあった。適当な休む言い訳をすればこのブログ程度なら何ら波風も立たないのを知っている。だからそういうのが問題なのだと考えた。

目標へ向かうことはいつでも自分との対峙だ。
今日は書けずとも明日も向き合うべし。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

コーヒーの香りで旅気分

香りで思い出す景色いざ生産国へ行くとなると緊張気味になる。どんなところでコーヒーが育っているのか、どんなコーヒーが待っているのか楽しみでならないのだが。しかし…

  • 264 view

よく冷えた朝には

蛇口からお水が出なくなるここ数日間よく冷えた。-15度を下回った。ストーブを焚いていてもいつもより寒いし、雪の上を歩くとキュッキュと鳴くのだからまるで北海…

  • 298 view

雨上がりの午後カップの中にはコロンビアがなみなみと注がれている。私にはまだ熱いからしばらく放置して、ちょうど良い温度になったら口にしようと楽しみにしていた。…

  • 240 view

小さな感触

一歩踏みしめるほんの小さな目標でも達成できたことによって嬉しさは桁違いに倍増する。「目標」はそんな効果もある。本日はそういう日だった。それが日ごと月ごとに…

  • 218 view