行く年を眺めて
振り返ると今年も様々な土地へ出かけてきた。見ては驚き、触れては感心し、そこから自分へ目標や課題に変化しつつ過ごしてきた。
とりわけ、何か大きな目標を達成したわけではないが環境の変化は多々あった。
コーヒーや写真の仕事といえば、真っ先にそれは多くの人の支えがあってこそであり感謝の他はない。
コーヒーは面白い。
だからこそ視野も狭くなりやすく本質を見失うことは避けたい。その「本質」とは何かと訊ねられたら、何と答えるだろうか。
写真も同様。
本質とはどこにあるものか。
私には胸の内に住む神様のような、畏怖する感覚的なものであったりする。それを、香りや味わい、雰囲気だけとして説明が付かない。ただ漫然と手を合わせて向き合うだけでは仕様もない。
願って叶うこともない。願うなら足を使い、手を動かし、想い描きを繰り返して掴んでいくものだ。
美味しいコーヒーや良い写真を撮るだけでは技術だけでも一通りのことはできてしまう。技術を用いるのはいったい誰なのか、を今一度考え改めたく思う。それはまさしく自分の技術として磨いていかなければならない。
技術をいたずらに磨けばそれがいつ何時に凶器にもなりかねない。
そう胸に刻みながら大晦日の夜に神社に降り積もった雪を踏み固めている。苦し紛れに過ごすも小さな目標を越えながらのあっという間の時間だった。
何れにしても人に恵まれた年だった。
本年も沢山のご愛顧頂き心より御礼申し上げます。来年も何卒お付き合いくださいませ。
良いお年を!