育ちが早い草があっという間に背丈を追い越した。
視界を遮るように生い茂っている。
そろそろ草刈りをしなきゃと思いつつ、これがわかっていても何かのせいにして出来ないでいる。空いている畑にもお花を植えようと言っている間に、このままでは夏が来てしまいそうだ。
夏の到来といえば「ホトトギス」だ。
今日は夕方前に鳴き始めた。そして、夏の到来を知らせる渡り鳥なのだ。
彼らはウグイスなど春の渡り鳥たちよりも少し遅れてやって来るのだが、それは「托卵」のためや捕食生物の時期に合わせての飛来のためなどと言われている。他の鳥の巣に卵を産み付け子育てまでお任せしてしまうのだ。また彼らの卵は、その巣の主人の卵よりも早く孵化し、他の卵を落として主人を独り占めしてしまうという、狡いと言ってしまえばそれまでだが、生き抜いてきた知恵の結晶のような習性と言わざるを得ない。そんな子育てまでお任せしていて嫌われるかと思えば、万葉集などにもその鳴き声の美しさから多く和歌にも登場しているようだ。
何ていうか芸術性の高い存在なのだな。
逞しすぎる本能を差し引いても余りある不思議と引き込まれるあの鳴き声がそうさせているのかしら。
それもまた生きる力か。
それではまた。