当たり前のものから何か生み出せるようになるには

  1. DIARY
  2. 326 view

悶々と力をつけること

熱した片手鍋にスパイスをを放り込むとシュワシュワパチパチと爆ぜながら香りが溢れ出す。玉ねぎを刻んで涙を流し、唐辛子の辛味が空気中に漂い噎せる。そして何を書くのか決まらないままパソコンの前で放心している。運よくタイトルが思いついても上手く書けずにみじめな思いをする。指先にはニンニクと生姜、スパイスの残り香を纏って、カップからはコーヒーの残り香が優しく感じられる。夕方から冷んやりしていて心なしか虫の音も少ない。ちょっと寂しい夜だな。

自分で決めた日課に追われて外の音の変化に寂しさを感じる秋の夜長にようやく三日月が顔を出した。少し外に出て山の端からぽっかり浮かんだ三日月を眺めて自分も何か浮かんだ気がしたが、やっぱり気のせいだった。嫌だ面倒だと言えば望む方向へ進めるのならいいが、それではどこへ行っても変わらない。変わるのは景色くらいだろう。景色が変われば書けるのかと言えば書けるだろうな。その景色が新鮮なうちは。

普通になってからが大変なのさ。当たり前のものから何か生み出せるようになるには目を細めたり開いたり閉じたりしながら悶々と修行のように何かと戦っていかなければいけないのだ。何かというのは多くは自分かも知れぬ。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

春だから

うきうき先日銀行へ向かう途中に猫が飛び出してきた。左右確認もせずに飛び出しちゃって気をつけないとね。と、春なんだなぁって思った。そのあとすぐにトラックが左右確…

  • 256 view

雨上がりの湿った光

パラパラと落ちてくるくらいの雨上がりに日差しが戻ってくるとほんのり蒸し暑くなった。そのタイミングで蚊が飛んできてひと刺し狙ってくるがその手には乗るものか。…

  • 429 view

なごり雪

春がやって来る窓の外を眺め「なごり雪か…」と店長が呟いた。先日までの陽気は失せて細かい雪が舞っている。冬の間は人の狡さと都合の良さを見たが胸に残る思いは少…

  • 461 view

カリントスキー

思い出したように食べ始めるひっそりと隠していたわけではないが小さい頃から「かりんとう」が好きなのだ。なんと言えば良いか、絶妙なバランスと味わいなのだ。黒糖の香…

  • 288 view

梅雨入りしたそうな

秋田県も梅雨入り例年に比べて少し遅く梅雨入りしたようだ。昨日まで好天で汗ばむ日だったが、一日中しっとりとした空気の中少し肌寒かった。パラパラと雨音を聞きながら…

  • 237 view

まるで梅雨時期のようなしっとり加減

ちりちりと咲く紫陽花や落葉など一日中どんよりとしたお天気の中、梅雨時期のようなしっとり加減の気温で時折パラパラと雨が降っている。カップの中には2杯目のコーヒー…

  • 472 view