当たり前のものから何か生み出せるようになるには

  1. DIARY
  2. 358 view

悶々と力をつけること

熱した片手鍋にスパイスをを放り込むとシュワシュワパチパチと爆ぜながら香りが溢れ出す。玉ねぎを刻んで涙を流し、唐辛子の辛味が空気中に漂い噎せる。そして何を書くのか決まらないままパソコンの前で放心している。運よくタイトルが思いついても上手く書けずにみじめな思いをする。指先にはニンニクと生姜、スパイスの残り香を纏って、カップからはコーヒーの残り香が優しく感じられる。夕方から冷んやりしていて心なしか虫の音も少ない。ちょっと寂しい夜だな。

自分で決めた日課に追われて外の音の変化に寂しさを感じる秋の夜長にようやく三日月が顔を出した。少し外に出て山の端からぽっかり浮かんだ三日月を眺めて自分も何か浮かんだ気がしたが、やっぱり気のせいだった。嫌だ面倒だと言えば望む方向へ進めるのならいいが、それではどこへ行っても変わらない。変わるのは景色くらいだろう。景色が変われば書けるのかと言えば書けるだろうな。その景色が新鮮なうちは。

普通になってからが大変なのさ。当たり前のものから何か生み出せるようになるには目を細めたり開いたり閉じたりしながら悶々と修行のように何かと戦っていかなければいけないのだ。何かというのは多くは自分かも知れぬ。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

枯れて咲く紫陽花

枯れて色濃くきれいに咲いているのも好きだが枯れていく様も悪くない。瑞々しい色が退色していってカラカラに乾くと、それまでにない存在感が出てくるドライフラワー…

  • 343 view

春よ来い

いつの間にか2月になっていたなんて言わない。年末からの大雪でどこもかしこも雪に埋もれてしまった感じの、記録的な、これぞ雪国といった風景の中での暮らしを振り返っ…

  • 460 view

遠くで考える移住のこと

自分の住む街のことを想いながら眺めてみると何かと出張が多いが先日は東京へ行ってきた。今年の7月から行われていた「ターンズのがっこう 秋田科」のラストイベントに顔を…

  • 564 view

携帯電話から解放された日

とにかく不便を感じる違和感ギリギリで新幹線に飛び乗り座席に座り一仕事しようとしたら携帯がうまく繋がらない。アレもコレも移動中に済ませようと車の運転中に段取りを考えてい…

  • 595 view

秋田で田舎暮らしとコーヒー

私の住む秋田県湯沢市は人口約4万7千人ほどの小さな街だ。コーヒー屋を開業して15年が経った。今でこそスペシャルティコーヒーを知る人は多くなってきたが、当時はそ…

  • 1421 view

雨の声

雨は物に当たって音がするシトシトと降る雨に音はないのだけど何かに打つかって音がなるということだ。とても心地の良いコラボレーション感じる。単体では声にならな…

  • 196 view