当たり前のものから何か生み出せるようになるには

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悶々と力をつけること

熱した片手鍋にスパイスをを放り込むとシュワシュワパチパチと爆ぜながら香りが溢れ出す。玉ねぎを刻んで涙を流し、唐辛子の辛味が空気中に漂い噎せる。そして何を書くのか決まらないままパソコンの前で放心している。運よくタイトルが思いついても上手く書けずにみじめな思いをする。指先にはニンニクと生姜、スパイスの残り香を纏って、カップからはコーヒーの残り香が優しく感じられる。夕方から冷んやりしていて心なしか虫の音も少ない。ちょっと寂しい夜だな。

自分で決めた日課に追われて外の音の変化に寂しさを感じる秋の夜長にようやく三日月が顔を出した。少し外に出て山の端からぽっかり浮かんだ三日月を眺めて自分も何か浮かんだ気がしたが、やっぱり気のせいだった。嫌だ面倒だと言えば望む方向へ進めるのならいいが、それではどこへ行っても変わらない。変わるのは景色くらいだろう。景色が変われば書けるのかと言えば書けるだろうな。その景色が新鮮なうちは。

普通になってからが大変なのさ。当たり前のものから何か生み出せるようになるには目を細めたり開いたり閉じたりしながら悶々と修行のように何かと戦っていかなければいけないのだ。何かというのは多くは自分かも知れぬ。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

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