当たり前のものから何か生み出せるようになるには

  1. DIARY
  2. 321 view

悶々と力をつけること

熱した片手鍋にスパイスをを放り込むとシュワシュワパチパチと爆ぜながら香りが溢れ出す。玉ねぎを刻んで涙を流し、唐辛子の辛味が空気中に漂い噎せる。そして何を書くのか決まらないままパソコンの前で放心している。運よくタイトルが思いついても上手く書けずにみじめな思いをする。指先にはニンニクと生姜、スパイスの残り香を纏って、カップからはコーヒーの残り香が優しく感じられる。夕方から冷んやりしていて心なしか虫の音も少ない。ちょっと寂しい夜だな。

自分で決めた日課に追われて外の音の変化に寂しさを感じる秋の夜長にようやく三日月が顔を出した。少し外に出て山の端からぽっかり浮かんだ三日月を眺めて自分も何か浮かんだ気がしたが、やっぱり気のせいだった。嫌だ面倒だと言えば望む方向へ進めるのならいいが、それではどこへ行っても変わらない。変わるのは景色くらいだろう。景色が変われば書けるのかと言えば書けるだろうな。その景色が新鮮なうちは。

普通になってからが大変なのさ。当たり前のものから何か生み出せるようになるには目を細めたり開いたり閉じたりしながら悶々と修行のように何かと戦っていかなければいけないのだ。何かというのは多くは自分かも知れぬ。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

春景色のゴールデンウィーク

GWも後半すっかり春景色に包まれた湯沢市もGWで帰省中の方々が多く訪れている。心なしかGWに桜は間に合ったものの散るのが早いかとも感じたが、この儚さも美し…

  • 847 view

コーヒーに触れる

スペシャルティコーヒーの楽しさ日本を飛び出して外国へ行く。それは遊びでも仕事でも知らないこと知る近道だ。知れば知るほどに、行けば行くほどに世界は広くなって…

  • 369 view

デスクワークの密かな楽しみ

隣で店長が今日のメニューを書いていた。なかなかスラスラとペンが走らないようで考えあぐねているようだ。時折空を見上げ、指の間に万年筆を挟みパタパタさせている…

  • 353 view

コーヒーをひとくち

希薄さなんてものが丁度良かったりする時代なのか、それなりに満たされて過ごしているんだなと感じる。憂いているとか、嘆いているの類ではなく、何だか物足りなくて面白くない。…

  • 361 view

海へ

海が聞こえる海へ行った。久しぶりに写真というものが楽しく難しいと感じた。仕事ではサクサクと進めるように感じていたものが、ふとした時に感触を得なかった。…

  • 345 view

春の匂い

面白さと難しさは共生している先日春先の東京へ行ってきた。雪解けがぐんと進んで土や木々の芽などの動きも活発になってそれらが混ざり春の匂いが増している。春の匂…

  • 268 view