コーヒーカップに詰めるもの

  1. COFFEE
  2. 428 view

どれだけ飲んでも、どれだけ焙煎してきても、次から次へとイメージが膨らんでくる。
抽出はある程度固定されたレシピのもと手順が身に付いてくると、そのブレ幅が見えてくる。また手っ取り早くコーヒーメーカーで入れて味見をしたりすることもある。コーヒー豆が持つ魅力的な個性をカップに再現することはそう容易いことではない。

生産地でコーヒー豆を大切に育てている人たちがいる。
お店に辿り着くまでは多くの連携プレーが成されており、結果、品質が担保されていくのだ。そういう一連をたくさん見てきたわけだが、いつの頃からか美味しいコーヒー作りという主観的なものに振り回されるのが嫌になった。技術を磨くことは嫌いじゃないし、今でも進んで取り組んでいるから何て言えばいいかな、本来スペシャルティコーヒーとは生産者の顔が見えるコーヒーなのに、あまり主観的になるとそれが希薄になってしまって、後付けしたようにメモ書きされている感が否めなくなった。

それはブランディングが良くないなどと言われたことがあるが、それもあると思うが、なぜだかしっくりこなくなった。
もう少し自分が腑に落ちたいところだ。

ずっと以前は味見の時だけじゃなく、その後も味や香りばかりに目がいっていた。追いかけるものはコーヒーだった。
今はというと、味見の時とその後ではスイッチが違うのだ。自分が辿ってきた景色が流れていくようになり、まるでコーヒーカップの中に吸い込まれていく感じになったと言えばいいかな。それはとても心地く、まるで夢の中のようだ。

そういう心地よさをお裾分けしたいのだ。

技術や知識だけでは「表現」するには限界がある。
「再現」と「表現」を使い分けができるようにまた明日から取り組もうと思う。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

好きと、美味しいコーヒー

自分の「好きと美味しい」はどこからやって来るのか?言葉の意味だけでは然して面白味もなく、端的になってしまう。「好きと、美味しい」はどちらも似ていて状況などによって…

  • 497 view

コーヒーと人の声に

NIIGATA COFFEE FESTIVAL@アオーレ長岡3月26日に参加した「NIIGATA COFFEE FESTIVAL」はたくさんのご来場者によりと…

  • 498 view

コーヒーの美味しい香り

スペシャルティコーヒーの花やかさスペシャルティコーヒー豆にはたくさんの情報が詰まっています。それは酸味のキャラクターであったり、質感であったり、もちろん香りもそうです…

  • 382 view

おすすめのコーヒーについて

味わってもらいたいコーヒー「おすすめのコーヒーは?」と聞かれ答えに迷ってしまうことがある。私個人的には全く迷っていないのだが、飲み手が欲している「おすすめ…

  • 395 view

抽出されたコーヒーの中には

たくさんの人の手遅ればせながら「A FILM ABOUT COFFEE」を観た。生産地へ訪問し始めてから見てきたものが画面に映っていた。知らない内に色々な体験をさせて…

  • 405 view

梅雨の神戸

インドネシア・ブラジル会先日に神戸へ行ってきた。梅雨の神戸は出発した秋田よりは涼しかったが湿度高めであったが風が吹いていて心地よかった。伊丹空港からバスで三宮…

  • 547 view