ハンドドリップで美味しいコーヒーを淹れるためのコツとは?

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美味しいコーヒーを飲むために必要なこと

知れば知るほど、飲めば飲むほどにその深さが計り知れなくなることもあるのがコーヒーの面白いところ。昨今では様々なコーヒーのスタイルが確立されつつあってどれが自分に合うのか見つけるのは大変かも知れないが、そこで尻込みせず多くのチャレンジをして欲しい。

今回は「ハンドドリップ」にフォーカスするので、他の抽出器具では参考になるところと、ならない箇所があるかも知れないのでその点はご了承願いたい。お手軽なハンドドリップは、シンプルが故に奥深く難しい考えになってしまう方もおられると思うのだが、先ずは「美味しいコーヒー」を飲むために知っておくと良いことを書いていく。

【 抽出器具類など 】
・自分のお好みのコーヒー豆(焙煎度合や生産国)
・コーヒーミル(手廻し、電動ミル)
・ドリッパーとサーバー(お好みのメーカー)
・ペーパー(コットン製がオススメ!)
・ドリップの際に湯量のコントロールがしやすい細口ポット
・温度計(湯温を計る)
・計量器具(最初はどのくらいの豆量でお好みの濃度になるか知るため)

上記はあれば尚良い結果を得られるものだ。
道具は手に馴染むものやお気に入りのものを選んで欲しい。

さて早速ドリップといきたいところだが、その前にこれから抽出するコーヒー豆を知ることはとても大切なのだ。

【 豆の状態 】
・コーヒー豆の鮮度は良いか
・焙煎度合いはどうか(浅煎り or 深煎り)

鮮度の落ちたコーヒー豆では美味しいコーヒーから遠ざかってしまう。焙煎してから2週間以内のもの、お湯をかけて粉が膨れる豆は比較的鮮度が良いと判断できる。しかし、浅煎りの場合は「比重が大きい」ためにお湯をかけても膨らみにくくすぐ沈んでしまうことがあるので焙煎日などがわかるお店で購入するのが良いだろう。

焙煎度合いを確認するのは、「浅煎り〜中煎り」と「中深煎り〜深煎り」とではドリップの仕方も違ってくるからだ。
そこに明確なボーダーラインは引けないのだが、お店によって同じ焙煎度合いでも焙煎時の焼成度の違いや、焙煎度合いによってコーヒー豆の比重に違いがあるので、お湯の注ぎ方などを変化させていかないと味わいのコントロールができないのだ。

説明すると難しく聞こえるが心配無用だ。
要するにドリップする前に囲み枠内を確認して欲しい。

ドリップの蒸らし方について

「蒸らし」という時間はある程度に必要だが、個人的には曖昧な時間に感じる。
この蒸らしている時間に何がコーヒー豆内に起きているのかというと、それは抽出の準備をしているのだ。

抽出の準備とは簡単に説明すると、豆とお湯を馴染ませるということ。
コーヒー豆の内部は多孔質になっており無数の小さな穴が空いている。その小さな穴にお湯が染み込んで通過することによって成分の抽出が行われるのだ。抽出は先ずは表面から始まり、その後内部から外側へ抽出されていく。簡単な説明だがそこには抽出の原理が働いている時間となる。しっかりと抽出を促すためには「蒸らしの最適化」が課題だ。

どんなコーヒー豆を抽出するかで「蒸らし方」を変化させたいのだ。

一定の蒸らし方では美味しいコーヒーまではまだ距離がある。
蒸らしの際のお湯の注ぎ方は、じっくり丁寧にすると時間がかかり過ぎるし、ドバドバとかけると薄いコーヒーがサーバーに溜まってしまう。慣れは必要だが豆量に対しての湯量を確認して欲しい。お湯がかかってから既に蒸らしは始まっているので素早くドリッパー内の粉に染み込ませたい。

【 豆の挽き目 & 湯温90度の場合 】
・浅煎り(細挽き)・・・20秒〜30秒
・中煎り(中挽き)・・・30秒前後
・深煎り(粗挽き)・・・40秒前後

「蒸らし時間」は上記のように抽出するコーヒー豆によって変化し、お好みの味わいによっても違いは出てくると思う。
私は20秒を目安に豆や焙煎度合いによって積極的に変化させている。ただし20秒だとバランスに欠ける味わいになりやすいのでコーヒーミルの挽き目の調節で細かめにして抽出する場合がある。経験則から20〜30秒の間が基本的な味わいのバランスになっているように感じている。また抽出の前半と後半から抽出される成分の違いもあり、これまた豆によって味わいのバランスに誤差が生じるので数回試してレシピを組み立てると良いのではないかと思う。

蒸らし時間が長過ぎると重ための味わいになる。しかし、ここは好みにもよるところだと感じているが、濃い目がお好みであれば豆量を増やした方がリッチな味わいが増幅されるのでぜひお試し頂きたい。

蒸らした後のお湯の注ぎ方は時間をかけ過ぎずに

ここまで来たら美味しいコーヒーが目前だ。
最適な蒸らしが施されたドリッパー内へお湯を注いでいく。お湯の注ぎ方はじっくり丁寧にしてしまうと重たい味わいになるのだ。だからと言ってドバーッとかけるのも良くない。優しく接して欲しいのだが、ドリッパー内の対流をイメージしながら湯量をコントロールをしていく。中煎り〜深煎りくらいであれば粉が暴れたりしない流速を心がけるといいと思う。

適量まで抽出したら速やかにドリッパーを外して抽出完了だ。

【 ハンドドリップのコツ 】
・コーヒー豆を観察する
・ドリップする直前に粉に挽く
・沸騰しているお湯をかけない
・蒸らし時間はコーヒー豆の状態によって変化する
・抽出時間は長過ぎても短くてもバランスを崩す
・面倒臭がらない

コーヒーを美味しく飲むためには、それなりの手間と時間がかかる。
どんなコーヒー豆を抽出するかを知るこはとても大切で、どのようなレシピで抽出するかを選択するためにもぜひ観察して欲しい。最適な抽出レシピが出来上がると冷めても美味しくて、上品な余韻と甘さを感じるコーヒーが淹れられようになるのだ。今回は敢えてスペシャルティコーヒー豆を限定的に取り入れていない。安価なコーヒー豆でもしっかり観察することでコーヒー豆の持つポジティブな要素を引き出せるように「観察」することを念頭に書いてみた。だからこそ手間と時間をかけたら何でもかんでも良くなるとは思っていない。観察し、引き算をしていくことで必要性の高いものをピックアップしていくことが素材の持ち味を最大限に引き出せると思う。

手間と時間をかけるべき箇所を見つけることが何事も大切だということ、そして「美味しさ」は自分で作るものかも知れない。

私も忘れないでおこう。

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コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

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