携帯電話から解放された日

  1. DIARY
  2. 538 view

とにかく不便を感じる違和感

ギリギリで新幹線に飛び乗り座席に座り一仕事しようとしたら携帯がうまく繋がらない。アレもコレも移動中に済ませようと車の運転中に段取りを考えていたのに。

どうやら携帯のキャリアで通信障害があったようだ。インターネットに繋がらないだけで作業が完結しないのだ。終われないのだ。

行き先も調べられないし、ホテル予約もできない。

予め断っておくが、私はホテルの予約は前もってしない。偉そうに書いても仕方がないが、たくさん出張している内にそうなってしまった。もちろん前もってすることだってあるが、最近は当日予約が多くなった。
なぜか?と聞かれても困る。

ましてや、なぜ猫の写真なのか?と聞くのはもってのほかだ。

それにしても携帯電話やインターネットにも依存していたものだと身をもって感じた1日だった。便利な世の中になり、それがいつの間にか日常的になってしまった。ネットに繋がりにくいだけで機嫌さえ悪くなる人もいる。

何でもその場ですぐに知りたいことが入手することが可能になったらあまり考えなくなってしまうのだろうか?自分で出した答えに自信を持てなくなる可能性もあるだろう。それは怖いことだな。彷徨いながら進むこと、目的を持っても間違いは起こるし、時には道草を食いなどして時間が奪われていく。生産性は悪い。けれども、と言いたい。

便利さと引き換えに何かを差し出してしまった感がある。その「何か」は人によって色々だと思うが、不便の中の良質な経験値は積み上がらないのかも知れない。

そう思い携帯電話はポケットの中にしまった。

しかしどうだろう。
感を頼りに行き先を目指して歩いていたらポケットの中で携帯電話がブルブルと鳴った。繋がった!と嬉々とした自分をどうすべきか一瞬悩んだ。

半日の間、しばらくぶりに便利さの中の生産性から解放されて色々と考えられたのは良かった。

何はともあれ復旧してよかった。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

雪国に暮らすということ

春を待つ楽しみ雪国に生まれ育った私はいつの間にか春を待つことが楽しみになっている。「春を待つ」という言葉もいい雰囲気だ。秋の紅葉が終わりを迎える頃に冬支度が少し進んで…

  • 402 view

雨の雪景色

ドカドカと降ったものの先日、出張から戻ると連日の大雪になっていた。1月は積もった雪はほぼ消えてしまっていたのだ。暖冬とはいえ、あまりの雪の少なさに不安さえ…

  • 333 view

なごり雪

春がやって来る窓の外を眺め「なごり雪か…」と店長が呟いた。先日までの陽気は失せて細かい雪が舞っている。冬の間は人の狡さと都合の良さを見たが胸に残る思いは少…

  • 442 view

自分が住んでいる街について

人と街毎日コーヒーや写真やカレーを追いかけたり追われたりしているのだが、ふと自分はどこへ向かうのかと考えることはしばしばある。自分が育った街に戻ってき…

  • 352 view

季節は巡り秋

虫の音が響く夜と潮騒夏が過ぎて秋がやってきた。夏は酷暑だった。夏の甲子園は103年ぶりの決勝進出だった。しかし決勝戦では大阪桐蔭に敗れてしまっ…

  • 384 view

厄払いと同窓会

秋田では中学の同級生が集まり厄払いをしているのですが、これは珍しいとのこと子どもの頃からそういう風に見聞してきたので特に珍しいこともなく感じていたのだが、「厄…

  • 4626 view