携帯電話から解放された日

  1. DIARY
  2. 544 view

とにかく不便を感じる違和感

ギリギリで新幹線に飛び乗り座席に座り一仕事しようとしたら携帯がうまく繋がらない。アレもコレも移動中に済ませようと車の運転中に段取りを考えていたのに。

どうやら携帯のキャリアで通信障害があったようだ。インターネットに繋がらないだけで作業が完結しないのだ。終われないのだ。

行き先も調べられないし、ホテル予約もできない。

予め断っておくが、私はホテルの予約は前もってしない。偉そうに書いても仕方がないが、たくさん出張している内にそうなってしまった。もちろん前もってすることだってあるが、最近は当日予約が多くなった。
なぜか?と聞かれても困る。

ましてや、なぜ猫の写真なのか?と聞くのはもってのほかだ。

それにしても携帯電話やインターネットにも依存していたものだと身をもって感じた1日だった。便利な世の中になり、それがいつの間にか日常的になってしまった。ネットに繋がりにくいだけで機嫌さえ悪くなる人もいる。

何でもその場ですぐに知りたいことが入手することが可能になったらあまり考えなくなってしまうのだろうか?自分で出した答えに自信を持てなくなる可能性もあるだろう。それは怖いことだな。彷徨いながら進むこと、目的を持っても間違いは起こるし、時には道草を食いなどして時間が奪われていく。生産性は悪い。けれども、と言いたい。

便利さと引き換えに何かを差し出してしまった感がある。その「何か」は人によって色々だと思うが、不便の中の良質な経験値は積み上がらないのかも知れない。

そう思い携帯電話はポケットの中にしまった。

しかしどうだろう。
感を頼りに行き先を目指して歩いていたらポケットの中で携帯電話がブルブルと鳴った。繋がった!と嬉々とした自分をどうすべきか一瞬悩んだ。

半日の間、しばらくぶりに便利さの中の生産性から解放されて色々と考えられたのは良かった。

何はともあれ復旧してよかった。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

夏至

夏至の日に考える暦の上で季節を表す「夏至」。こう言う季節感を大切にしているのがとても良い。昨日からニイニイゼミが鳴き始めた。森に響くゼミの声も…

  • 292 view

コーヒーの香りで旅気分

香りで思い出す景色いざ生産国へ行くとなると緊張気味になる。どんなところでコーヒーが育っているのか、どんなコーヒーが待っているのか楽しみでならないのだが。しかし…

  • 264 view

言葉の彼方経験を積んだ、若しくは重ね上げた先に広がっていく末に描かれるものはいつだって尊く感じる。一瞬の情景が言葉に変換された時に人の想いが過っていく。素敵な…

  • 233 view

抽出というのは何事にも通ずるか?

今日はコーヒー豆をできるだけ細かく挽いてドリップした。できるだけといってもエスプレッソ用までにはいかない程度に留める。単なる気分転換だ。抽出されたコーヒーは味…

  • 318 view

続・草むしりの効果

店長!気持ちの良い場所で座ってコーヒー飲みたいなんでもやってくれる店長だ。「そうですねぇ」とその辺にあった板切れを持ってきて素朴で可愛らしいベンチを作って…

  • 496 view

考えているうちに冷めたコーヒーの味

雨音を聞きながら本を読んでは涙し、映画を観ては涙する。もう少し若い頃には感じもしないことだった。寒いなと思っていたら駒ケ岳で初冠雪したようだ。里山も紅葉に包まれて…

  • 373 view