いつの間にか2月になっていたなんて言わない。
年末からの大雪でどこもかしこも雪に埋もれてしまった感じの、記録的な、これぞ雪国といった風景の中での暮らしを振り返ってみるとどうだったろうか。口ではしんどいしんどいと繰り返して除雪に追われていたものの、心の何処かではどこまでも嫌う感じがなかったように思う。きっとこの冬に南国へ長期間行ってしまえば、冬の感じがしないと多少の不満を漏らしたに違いない。まるで雪室の中にいるような時が止まってしまったかのような、熟成された心持さえ感じている。
2月23日は会社の誕生日だ。
6周年を迎えられたことにただただ感謝しかない。
コロナ禍で何もかもよく分からなくなりそうで不安を握り潰して色々なことに挑戦したなと、握ろ潰した不安が何へと変化したのか思い返したりすると、特にものづくりへのエネルギーへとなっていたと思う。眼に見えないものの怖さを感じたこの1年は未だ終わりではないが、それでも少し前へと進むことで良いと感じている。その中で多くの方々に支えられてきたことに胸がいっぱいになる。
そして嬉しいこともある。
1年ほどコロナ禍で出張もできないでいるが「季刊誌 日本で最も美しい村新聞」のカメラマンとして多くの町や村を訪ねて来た。その新聞が書籍化へ向かっているということは、私にとってはとても嬉しいことだ。只今新聞の編集長がクラウドファンディングに挑戦中で興味を持たれた方は下記のリンク先をぜひ読んで欲しい。
「日本で最も美しい村」新聞を書籍化、多様な働き方を実現できる社会へ
「日本で最も美しい村」新聞を書籍化、多様な働き方を実現できる社会へ
以下引用
全国にあるさまざまな地域の書店や図書館で手にとっていただけるような挑戦を始めることにしました。
2020年12月現在、Vol.34をリリースしています。この季刊誌は毎号5,000部から8,000部を配布してきましたが、現状、限られた場所でしか販売されていません。コロナ禍もあり、なんだか窮屈さが増している都会の暮らしだから、今こそ「美しい村の言葉」を届けたい。美しい村に触れて欲しい。そんな気持ちから季刊紙の書籍化に思い至りました。2012年から2020年まで取材した30町村の中から、すでに編集及びレイアウト作業を終えました。
取材時は多くは人との出会いや食文化に触れては「ハッ!」とさせられたことは少なくない。美しさは景観のみならず、暮らしであり、声であり、またこぼれ落ちた言葉であったりと幾度となく身に沁みる想いに駆られるものだった。
私にとってコーヒーも旅だった。
そして写真も旅だった。
旅での出会いは自分を膨らませ、イメージも濃く鮮明になっていった。それらは出会う人たちの言葉や眼差しによって、または間近で受ける感触などだ。百聞は一見に如かずとはよく言ったもので、言葉だけでは埋まらず、見るだけでも足りず、触るだけでは決められない、三位一体が一瞬のうちに覚悟を決める要素になっているのだと感じている。
身体や記憶にも温かさの残るものづくりをし続けたいと思っている。
それではまた。