コーヒーを表現する時のために色々な果物やお酒を試す
何とも言い訳がましいキャッチが憎めない。はは。最初はどのお酒も苦手だった。特に日本酒、特に香りが駄目だったし味わいもビリっとした感じが馴染めなくて敬遠していた。ところがある取材でそんなに語れるなら飲んでみようと買い求めて冷蔵庫にしまっておいて寝る前に1杯飲んでみたところこれが美味しかったのが始まり。しっかりとした果実香とジューシーな味わいがあった。それ以来様々な日本酒を試してきた。出張先で飲むのも良かった。
コーヒーを例える時にワインのテイスティングに似ていることが多く、その土地の土壌や天候など農産物であるが故の風味特性などは昨今のスペシャルティコーヒーを表現する時にも似ている。同じ品種のコーヒー豆でも、広い生産国の土壌や気候で生産性や味わいが異なるのも面白い。ワインは一昨年くらいから気にしながら飲むようになったが、そんなにたくさん飲み漁っている訳ではないので語れることは少ないが、お客様にとってお好みのコーヒーを探す時に説明しやすくなった気がしている。ただ1〜2杯で十分酔っ払うので消費ペースが難点である。
先日の熊本県へ出張の際に頂いた焼酎が美味しかったので、お土産に買ってきたものがあるのでお湯割りにして楽しんでいる。米焼酎や麦、芋、どれも味わい深かったし、香りが華やかでフルーティだった。焼酎はいつもどこかアルコール臭が強く感じていたので香りなんて意識していなかったのは、知ろうともしなかっただけであったのだと反省した。飲んで初めて触れる手順があるのを知り、疑問が湧いてくる。それを聞き、また試す。どこかコーヒーをドキドキしながらドリップしていた頃を思い出す。今日飲んでいる焼酎は、鹿児島県、西酒造の「夕 SEKI」という焼酎だ。何と言っても香りが柑橘類に似ていて口当たりが柔らかく繊細だ。ロックや炭酸水で割ってみてくださいとお勧めされたのも頷ける。寒いのでお湯割だがね。常識なのかも知れないが、お湯割の場合は、焼酎:お水は6:4が目安で75度くらいの温度がよろしいとか。コップにお湯をいでから焼酎を入れるといいと知ったのも先日のことだし、前割という飲み方も先日知ったことだ。美味しく飲めて興味を持つ、どこか原点を思い出す。
前割りは『焼酎6:お水4』で割る。
3日〜1週間寝かせることでアルコール分子の周りを水の分子が取り囲み水分パック状態になる。つまり、これによりアルコールの刺激が抑えられ味に丸みがでる。
お酒には酸があり、コーヒーにも酸がある。果物にももちろんある。コーヒーの酸は敬遠されがちだがその表現方法にバリエーションを持たせればネガティヴな印象を抑えられるかと思う。適切な酸のコントロールは焙煎で行い、最適な酸のコントロールは抽出で補えるのではないだろうかと思う。それをお好みの方向へ向けるのは私のボキャブラリーだったりするのだろうと、冷め切ってしまったお湯割をちびちびしながら今思うことである。