コーヒーカップに詰めるもの

  1. COFFEE
  2. 426 view

どれだけ飲んでも、どれだけ焙煎してきても、次から次へとイメージが膨らんでくる。
抽出はある程度固定されたレシピのもと手順が身に付いてくると、そのブレ幅が見えてくる。また手っ取り早くコーヒーメーカーで入れて味見をしたりすることもある。コーヒー豆が持つ魅力的な個性をカップに再現することはそう容易いことではない。

生産地でコーヒー豆を大切に育てている人たちがいる。
お店に辿り着くまでは多くの連携プレーが成されており、結果、品質が担保されていくのだ。そういう一連をたくさん見てきたわけだが、いつの頃からか美味しいコーヒー作りという主観的なものに振り回されるのが嫌になった。技術を磨くことは嫌いじゃないし、今でも進んで取り組んでいるから何て言えばいいかな、本来スペシャルティコーヒーとは生産者の顔が見えるコーヒーなのに、あまり主観的になるとそれが希薄になってしまって、後付けしたようにメモ書きされている感が否めなくなった。

それはブランディングが良くないなどと言われたことがあるが、それもあると思うが、なぜだかしっくりこなくなった。
もう少し自分が腑に落ちたいところだ。

ずっと以前は味見の時だけじゃなく、その後も味や香りばかりに目がいっていた。追いかけるものはコーヒーだった。
今はというと、味見の時とその後ではスイッチが違うのだ。自分が辿ってきた景色が流れていくようになり、まるでコーヒーカップの中に吸い込まれていく感じになったと言えばいいかな。それはとても心地く、まるで夢の中のようだ。

そういう心地よさをお裾分けしたいのだ。

技術や知識だけでは「表現」するには限界がある。
「再現」と「表現」を使い分けができるようにまた明日から取り組もうと思う。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

6月1日

先月末から春ゼミとホトトギスが鳴き始めた。今年はまだアカショウビンは見かけていないけれど、来ないのかなと少し寂しい気持ちでいる。あの澄んで綺麗に響くこだまのような…

  • 408 view

ブラジル新入荷

Fazenda Recreio イエローブルボン亜種今回新しく入荷したコーヒー豆は「ヘクレイオ農園 パルプドナチュラル」です。今まで取り扱っていた「アルトアレグレ農園…

  • 585 view

早くも秋の夜長の雰囲気のコーヒー

夏から秋へ季節の移り変わりは微妙なニュアンスが大切で、ここからキッパリと線を引かれると困惑する。先日に全国花火競技大会が大仙市で開催されたが、2度の大雨に…

  • 375 view

空に広がるマンデリンの香り

思い入れのあるマンデリンタイトルが壮大だが、何てことはない、焙煎が上手く仕上がって嬉々としているのだ。マンデリンに限らずだが思い入れが強くある。マ…

  • 606 view

美味しさのルール

コーヒーを飲もうとハンドドリップで抽出している時に、日頃繰り返し質問されることを思い出した。上手に淹れるにはどうしたら良いか?確かに「どうした…

  • 376 view