梅雨入りしたそうな

  1. DIARY
  2. 232 view

秋田県も梅雨入り

例年に比べて少し遅く梅雨入りしたようだ。昨日まで好天で汗ばむ日だったが、一日中しっとりとした空気の中少し肌寒かった。パラパラと雨音を聞きながらコーヒーを立て続けに淹れる。毎日ブレンドの実験を続けている。似たような配合でも若干の違いを設けて試作していく。最近は少し深めのブレンドに焦点を当て余韻に甘さが残る配合を探っていく。心地よいほんのりと苦味があって、余韻はほんのり甘さを感じる程度がいい。苦味はスッと消えていくのがいい。完全な自分好みを探っていく。いつもは自分好みは後で考えるのだけど、最近は自分好みを見つけてから足したり引いたりすることが多い。あれこれと迷うのも楽しいが自分の好みをもっと掘り下げるとセミナーを開いた時にどういう訳か言葉を選びやすくなった。

感覚値を紐解いていくやり方と言えば良いのかどうか試し繰り返すのが面白くなってきている。続けることが一番大変なことは何に於いても難しい。ましてやそれを声にしてしまった日には続けるほかに都合の良い言い訳も歯が立たない。独り言で呟いた自分の想いが目に見えない味となっていくことの、いまだ感触の弱い繰り返し。自分の好きなことをするには、それなりの代償を引き換えることになるなんて思いもよらないことだと気が付いた30代。好きなことをするためにやらなければならないこと、続けるためにすること、より良くするためにすること、毎日の中に楽しみを持つことの大切さ。一つのブレンド作りを粛々と続けている内にそんな思いが込み上げてくる。技術と素材のポテンシャルだけではまだ表面的だと思う。もっとコアに近づきたい一心でコーヒーと向き合っているようでも、どこか自分と向き合う時間になっていて哲学的だ。ある種の哲学を持ち一人小難しくなってコーヒーと戯れるのもいい。ただ、鍵をつけているキーホルダーを無くしてしまった。鍵はあるので不自由ではないがしょんぼりだ。

雨の日は暗くなるのも少し早いが雨粒で光る植物がとても綺麗に見える。こんな季節の日に合うブレンドはもっとニッチな雰囲気を持たせてみたいなと思うこの頃。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

春よ来い

いつの間にか2月になっていたなんて言わない。年末からの大雪でどこもかしこも雪に埋もれてしまった感じの、記録的な、これぞ雪国といった風景の中での暮らしを振り返っ…

  • 441 view

雪がしんしん降る夜

写真の整理とコーヒー一昨日に出張から戻り水道の蛇口をひねると水が出なくなっていた。数日間留守にしていたので凍ってしまったかと一晩中ストーブで温めて、電気ストーブを配管…

  • 432 view

浮かんだ月

ノートに走り書きした文章を読み返して、はて何て書いたかな?と立ち止まる。読み返して思い出せないくらいの戯言だろうとそのまま通り過ぎ仕事を続けることにした。続けるこ…

  • 295 view

自分が住んでいる街について

人と街毎日コーヒーや写真やカレーを追いかけたり追われたりしているのだが、ふと自分はどこへ向かうのかと考えることはしばしばある。自分が育った街に戻ってき…

  • 406 view

書けないから、書く

お湯割と焼きめざし何か書こうと思いパソコンを開いてみたが、昼間に思い付いたことが夜になって思い返すと書くほどというか書きたいほどでもない。仕方なく熊本へ行った…

  • 195 view

ある日のコーヒーの香り

秋の夕暮れコーヒー日が暮れ始めると途端に寒くなってくる。あっという間に10度くらいまで下がりそろそろストーブの準備をしなくてはと思うこの頃だ。店内は焙煎機…

  • 397 view