磨くということ

  1. DIARY
  2. 236 view

技術を磨くことと自分を磨くこと

焙煎で思うようにいかず悩ましい日々を過ごしていた頃があった。もちろん今だって上手く出来ないこともある。
しかし今思えば、技術というものを追いかけてもそれを駆使する自分ではなかったし、出来上がったものをきちんと評価できなかった。自分でモノづくりをしていてできない理由を広げていったように思う。これができない理由を当時自分を納得させることができた。自分の枠を抜け出すこともしないでよく正当で真っ当なことを口に出していた。それなのに磨けば光ると信じていた。磨き方が悪ければ傷になるだけなのに理想だけは高かった。

誰だって初めは失敗はしたくないと思う。
できると思っていたことが全くできないまま時間が過ぎていくだけに才能を疑う余裕さえあった。自分にはその手の才能がないのかも知れないと落胆した。その頃に才能は平等ではないかもだけど、可能性はきっと平等にあるのだと閃いた一瞬があった。

その日から自分の中では失敗のイメージが変化していった。毎日が実験の日々で楽しかったな。無駄も多かったが経験値は増えたから良しとしてきた。要するに今日より明日の方が可能性が高いということだ。今日ダメだったことを知ったので明日また他の方法で試せるということはワクワクすることだ。結果は同じでも捉え方を変化させた方が前進速度が早いように感じている。伸び代が多い時期にこれをやっておいて損はないと思う。

今朝は焙煎しながらそんな悩ましい日々を思い出したのだ。
失敗は毒ではない。ちょっと飲みにくい栄養剤ってところだ。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

八月

長梅雨のようで、スパッと晴れる日がない。時折雲が切れて綺麗な空が広がっていると、ついつい嬉しくなってプラプラと出かけては、童心に帰ったように夜道の街灯の下をカ…

  • 490 view

前進と後退

「働かないで生きていけないかなー」「無理でしょ?」黒田硫黄 茄子1巻 ランチボックスここ何日か、周りの人と話をしていると学校の卒業式やそれに伴う飲…

  • 786 view

草むしりの効果

畑の表層を張り巡らす蔓や根先日のよく晴れた暑い日に目の前にある畑に行くと草が元気に生い茂っていた。おばあちゃんがせっせと管理していた畑は、今は父が少し…

  • 2302 view

まるで梅雨時期のようなしっとり加減

ちりちりと咲く紫陽花や落葉など一日中どんよりとしたお天気の中、梅雨時期のようなしっとり加減の気温で時折パラパラと雨が降っている。カップの中には2杯目のコーヒー…

  • 484 view

浮かんだ月

ノートに走り書きした文章を読み返して、はて何て書いたかな?と立ち止まる。読み返して思い出せないくらいの戯言だろうとそのまま通り過ぎ仕事を続けることにした。続けるこ…

  • 306 view

いつか誰かの言葉が目覚める日

ハッとさせられる頭の片隅に置かれて埃を被っていたかのように、そういえばそんなこと話したなと思い出す。あの時話した中に印象に残っていた言葉の埃を払ってみる。シン…

  • 309 view