思いつきで作ったマンデリンとケニアのブレンドが面白かったのは「荒削り」の妙味

  1. COFFEE
  2. 2047 view

思いつきブレンド

集中して焙煎しているとあっという間に時間は過ぎていくが、その都度豆には「こんな感じで」というイメージで焙煎を仕上げている。もちろんそうであっても出来上がりにはブレも多少出てくるのだが、そこをしっかり受け止めれないと修正は難しい。焙煎とカッピングの繰り返しではあるのだけど直感で判断している。

「しっかりボディで花やかアフター」

昨日はマンデリンとケニアがなかなかの仕上がりで自分好みなブレンドができるのでないかと思い付きのブレンドを作る。直感に沿った荒削りの味わいが広がる。まるで太陽降り注ぐ空と大地に駆け抜ける風のよう。あえて整えようとしない潔さが良いのかも知れない。もう少し背伸びして欲張りたいところをぐっと我慢してみると良い時がある。この「良い時」は結果に過ぎないが。。

綺麗にまとめると意外と小さくまとまってしまい面白味に欠けることがあったりするから悩ましい。秋田には「鉈漬け」という漬物がある。簡単に言うと大根を鉈でそぎ切り、甘酒で漬けるというものだが、この「鉈」で切ると断面がザラつくので漬かりやすくなるということのようだ。これはダイレクトに調理法であり、味わいに直結するのだが、先に書いた荒削りの味わいに持たせたかったイメージがそこだ。荒削りには妙味が漂っている。

繊細さと大胆さが結果を面白くするのだろう。これからもどんどん挑戦していくのだ。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

グァテマラ ロス セラヘス

優しい甘さが印象的派手な香りがあるわけではなく、と伝えると面白味のない感じになるけどそんなことはない。ローストしたアーモンドのような甘さを連想してくれる心地よい香りが…

  • 278 view

スペシャルティコーヒーの再現性を高める

ポテンシャルを引き出すには様々な角度から観察をすることだ。しかし、余すことなく引き出すのは少し考えてしまう。全て出し切ってしまえば余計なものまで出てきてしまう…

  • 770 view

ハンドドリップレシピ!

自分の味を持つコーヒーを抽出する際に、どうしたら美味しく抽出できるのかを考えてしまうのは当然なのだが、その前にご自身はどんな味わいが好きなのかを知っておくと便…

  • 657 view

コーヒーを模索する

言葉に出ない違和感目先のものに捉われていると着地点がズレてしまって、あれ可笑しいなとなる。よくあることで日常的と片付けたらそれまでだが、小さな疑問や違和感の積…

  • 254 view

コーヒー生豆の香り

しっかりとしたフルーツ感焙煎後のコーヒー豆の香りは芳しく果実に例えられたりカカオを想起させたり色々とある。生豆の香りはというと、これも果実感が強いものから…

  • 2960 view

コーヒー豆の声と言うのはつまり

モノづくりの楽しさと難しさ焙煎や抽出をさらに磨いて、ピカピカになるまで更に磨いて、もっともっととやっている内に陽は暮れて行くし歳もとっていく。自分の技術を磨くのは…

  • 446 view