いつか誰かの言葉が目覚める日

  1. DIARY
  2. 276 view

ハッとさせられる

頭の片隅に置かれて埃を被っていたかのように、そういえばそんなこと話したなと思い出す。あの時話した中に印象に残っていた言葉の埃を払ってみる。シンプルな一言がやたらと光っている。そんな言葉が少なからず自分の中にしまってあるものだ。

たまに引き出しから言葉のコレクションを目の前に広げてみると今の自分が見てとれる気がした。閉まっておくだけでなく、たまに取り出してメンテナンスくらいしないと本当に忘れてしまうかも知れない。放たれた言葉の力は絶大で自分を鼓舞したり追いやったりもされてしまう。言葉の意味だけでは動じなくとも、そこに本人の温度が加わっていると生きた言葉として刺さったままだ。言葉の意味はそれ以上も以下もなく意味を残すが、温度はどちらかというとその人の雰囲気を感じさせる気がする。

何が言いたいと問われると上手く説明ができない。出張先で仲間に会いお酒飲んで食べて笑った時間で埃が被っていたのがまた何かしら振動しているのということだ。そして自分に課した日課に溜め息をつきながらも、一度寝てしまい、書いてないぞとハッと目が覚めてしまった。

どんな事が自分のスタンダードになっているのかは本当に大切な事だと思う。そういうことを改めて考える良い時間だ。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

6月1日

先月末から春ゼミとホトトギスが鳴き始めた。今年はまだアカショウビンは見かけていないけれど、来ないのかなと少し寂しい気持ちでいる。あの澄んで綺麗に響くこだまのような…

  • 369 view

呼び声

声のする方へクンクン甘えた声がする。カプリは視力が悪くなってきた。耳も遠くなってきた。オンオンと元気に鳴いて私を呼び、お店のドアが開くとピョンピョ…

  • 396 view

カリントスキー

思い出したように食べ始めるひっそりと隠していたわけではないが小さい頃から「かりんとう」が好きなのだ。なんと言えば良いか、絶妙なバランスと味わいなのだ。黒糖の香…

  • 273 view

夏から秋の匂いへ

9月だ。空が変わり、風が変わり、匂いも音も変わってきた。そういう自然を肌で感じられることは、どこか自然と繋がっているようで心地がいい。先日は青森県の佐…

  • 369 view

言い訳の作られ方

煮詰まった。頭の中で描いては紙に書き出しを繰り返していた。書いているノートの上に子猫にしては大きくなったピノが寝そべったままノートを覆い尽くすほど伸びてこちら…

  • 431 view

雪とため息

先日、出張から戻ると雪が降り始めていた。毎年11月20日前後には初雪が降っている記憶がある。雪の降り始めには、いつも綺麗だなと眺めているのだけど、どん…

  • 389 view