海が聞こえる
海へ行った。
久しぶりに写真というものが楽しく難しいと感じた。仕事ではサクサクと進めるように感じていたものが、ふとした時に感触を得なかった。例えばそれを目的とした場合には、何かしらの感触を感じたいのだ。
しかしそれがどうも弱い。強く感じたものはもう一度写真を撮ろうという感触だった。昨今のカメラの性能は申し分なく見たままが撮れるようになってきたのではないだろうか。
綺麗な景色は写真にするとより綺麗に見える。だけども妙な感覚に陥ってしまう。
綺麗だけども厚みがない。コーヒーで言う所のボディだ。その場所には匂いや音、その他生物の息吹が蠢いているのにそれは目に映ることが少ないから写真には現れにくいのだろう。
まあ、目の前にあるモノが写るのだから当然の結果だが。
そんなことをつらつらと頭の中で捏ねながらシャッターを切っていた。