枯れて咲く紫陽花

  1. DIARY
  2. 308 view

枯れて色濃く

きれいに咲いているのも好きだが枯れていく様も悪くない。
瑞々しい色が退色していってカラカラに乾くと、それまでにない存在感が出てくるドライフラワーに惹かれる。生物にとって水は生命線なのに体内の代謝というのか循環と言えばいいのか、それが止まると水が悪さをしてしまうのは皮肉なことだ。水は動いていないと生きていけないのだろう。

乾いた色の濃さや香りや形が、それまでの表情を全て露わにしているようで美しいのだ。美しさはどちらにも平等にあって、醜さの対比としてあるよりも決して排他的な形容ではないのだと思う。どこにどんな状態にあっても美しさと醜さは纏ったものでありそれを拾い上げる側の視点で拾われることのように思う。

水の流れる清らかな綺麗さ、止まってしまい腐敗する様、どちらもある者にとっては美しき世界があるのだと思う。もう、話がどこへ行くのか分からないのでここら辺でしめておこう。ただ、紫陽花の枯れた色が夕刻の光にぼんやり光って見えるので気になったに過ぎない。頭に浮かんだキーワードが、枯れる、色、水、腐敗、綺麗さ、感受性豊かな季節になった。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

gita Web Magazine はじめました。

はじめましてコーヒー豆を焙煎をして販売し始めたのが14年前、時間が経つのは早いものです。その頃はまだインターネット上で文章を書くことなんて想像してもいなかったので、今…

  • 638 view

海へ

海が聞こえる海へ行った。久しぶりに写真というものが楽しく難しいと感じた。仕事ではサクサクと進めるように感じていたものが、ふとした時に感触を得なかった。…

  • 341 view

不思議な小さな世界

エッセンスエッセンスが欠けてしまうと何か感触がないような感覚になる。そのエッセンスはどこなのか?何事にもどこかに隠れていたりするのだが、なかなか姿を現…

  • 371 view

雨の雪景色

ドカドカと降ったものの先日、出張から戻ると連日の大雪になっていた。1月は積もった雪はほぼ消えてしまっていたのだ。暖冬とはいえ、あまりの雪の少なさに不安さえ…

  • 371 view

春景色のゴールデンウィーク

GWも後半すっかり春景色に包まれた湯沢市もGWで帰省中の方々が多く訪れている。心なしかGWに桜は間に合ったものの散るのが早いかとも感じたが、この儚さも美し…

  • 794 view