スペシャルティコーヒーの再現性を高める

  1. COFFEE
  2. 774 view

ポテンシャルを引き出すには様々な角度から観察をすることだ。
しかし、余すことなく引き出すのは少し考えてしまう。全て出し切ってしまえば余計なものまで出てきてしまう恐れがあるから躊躇してしまう。だからこそ素材を知るのと、何を使うのか、最適な抽出方法とポテンシャルへの焦点を定めることだ。つまり、コーヒーの話だ。

今日はエスプレッソのメッシュ(挽き目)合わせの最中にコーヒーの底力を感じた。追い込んでギリギリまで詰めていくと見えてくる美しいバランスが現れる。あるところから途端にジューシーな酸味が突出し、輪郭がはっきりと浮かび上がってくる。香りに厚みが生まれて、ザラついた舌触りは滑らかに変化する。突然目の前に現れる絶景といった感覚で、久しぶりに感じる好敵手といった感じだ。豆の持つポテンシャルを感じずにはいられなかったからこそ、ストイックになれたのは云うまでもなかった。生産者に敬意を払いたい。

良質の素材を扱うのは基本だが、そのポテンシャルをいかにカップの中へ再現していくかはシビアに向き合う必要がある。それが飲み手へ伝わったようであれば喜びは一入である。毎回同じようにはできないのは色々な要素が絡み難しいことだが、うまくできなくても冷静になり動じない姿勢で可能な限りのコントロールを心掛けたいものだ。それが毎回のコーヒー作りになっている。

お店に来られた際にはお気軽になんでも聞いて欲しい。
もしかしたらもっとコーヒーが面白くなるかも知れないよ。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

カスタマイズコーヒー

いい加減に草刈りをしなければと思い、外へ出て確かめてみたら思いのほか茂っていて驚いた。ここまで伸びていたら半日はかかるな。夏に向けて草木だって我先にと…

  • 405 view

甘酸っぱい初夏の味わい

春蝉の声午前中は森の中から春蝉の声が響き流れていて、窓を開けていると蜜蜂の羽音が高い音色で通り過ぎていく。時折り野太い低音の熊蜂がホバリングしながら物色していくのをヒ…

  • 209 view

考える時間

いつも同じでないことへの理解カップに入ったコーヒーや豆は見た目はなんでも同じように思われていることがまだまだ多いように思う。コンビニやスーパーのコーヒーや、近…

  • 550 view

好きと、美味しいコーヒー

自分の「好きと美味しい」はどこからやって来るのか?言葉の意味だけでは然して面白味もなく、端的になってしまう。「好きと、美味しい」はどちらも似ていて状況などによって…

  • 486 view

空に広がるマンデリンの香り

思い入れのあるマンデリンタイトルが壮大だが、何てことはない、焙煎が上手く仕上がって嬉々としているのだ。マンデリンに限らずだが思い入れが強くある。マ…

  • 596 view

スペシャルティコーヒー豆の焙煎は面白い

スペシャルティコーヒー豆が持つ個性を知る思い出コーヒー豆の焙煎はいつもワクワクする。学生の頃にコーヒー豆屋さんに買いに出かけ、カウンター前で豆のことを聞くのが好き…

  • 1178 view