カレーは自由だ
暑くなりつつある季節だが、夏野菜もどんどんお店に並んできた。
夏らしいカレーを作ろうと思い、レシピを延々と考えては試しを繰り返している。
料理は子供の頃から好きだったが、お店で提供することなど考えてもいなかった。去年の今頃だろうか、横手店でカレーの提供を考えていて、何か美味しいレトルトでもないものかと色々と聞いていた。神戸のマツモトコーヒーへ行った際にも松本さんに聞いてみると「自分で美味しいの作ったらいい」と言われて、やっぱりそうしようと毎日カレーを作り続けた。
毎日カレーを1〜2回作り、賄いは毎日カレーを食べてもらい感想をフィードバックしていった。
スパイスを買い漁り、本を読み漁り、出張先でもカレー三昧だった。4ヶ月ほどそういう期間を過ごして昨年10月にようやく横手店で提供を始めた。
カレーは好評のようでホッとしている。
何でもそうだが、私の場合は「考えては作り思いついては作る」の繰り返しなのだ。
毎日食べれて、すぐ作れるレシピ
玉ねぎを飴色になるまでじっくり丁寧に炒めたり、肉の塊を数時間煮込んだり、鶏ガラからスープを取ったり…etc.
気になるレシピがあればすぐに実践していたので勉強になった。試作は大抵夜にするので集中してできるのが良かった。
しかし、カレーの提供が始まってからも何か手応えが軽いのだ。
もっと広くイメージ起こしていくとヒントは「お味噌汁」だった。
インドへは行ったことがないが、偏見かも知れないが毎日カレーを作っているのではないかと思っている。インドに限らず、その国のソウルフード的なものは毎日食べているようなもので国民食的な位置のようなもの。毎日数時間煮込んだり炒めたりするのでは大変な作業である。簡単だったら良いなどと言いたいのではない。
あくまで個人的主観で書いているので、ご容赦願いたいところだが、仕事だから時間をかけてしっかりやれば良いということではない。レシピに必要な時間はあると思うが、レシピによっては時間を掛け過ぎている箇所があるのかも知れないと疑問を持った。使う素材に対して適切な調理時間があると思うし、それはまたレシピによって変化もしていく。
こう考えていくとコーヒー豆の焙煎にも似てくるし、写真の露出にも当てはまる。
日本ではお味噌汁は国民食的な位置にあって、ほぼ毎日食べている方も少なくないと思う。
私はそうではないが。。
栄養が詰まっていて、様々な素材を受け入れてくれて、そして出汁が文化を感じさせてくれる。本当に素晴らしい料理だと思う。これに習い、カレーをもっとシンプルに考えていったら「カレーは自由だ」と感じたのだ。
スパイスも難しいことは言わない「コリアンダー、ターメリック、カイエンペッパー」があれば良い。
夏野菜をスパイスと炒めて、トマトとタマリンドで爽やかな酸味を与えている。煮干しを少し入れてみると味わいがぐっと広がった。
写真は、湯沢店での賄いなので横手店とは少し違うことをあらかじめご了承頂きたい。