夜空に白い渡り鳥が鳴く

  1. DIARY
  2. 974 view

食べ尽くすのではなく、食べ歩きをするということ

11月になった。
朝晩の冷え込みが増してきた。そろそろ薄氷が張るのかどうなのか、里では紅葉も見頃になった。
午後15時過ぎれば陽が低く差し込み影が伸びている。
夜になると満点の星空に白鳥の声が響いている。冬支度の季節だ。

それはそうと「渡り鳥」は「渡り」よってエネルギーの消耗を節約しているとある記事で読んだ。
要するに「食べものを得るのに必要なエネルギーと、食べものから得られるエネルギーのバランスを効率よくするため」ということらしい。
それは同じ地域にいることで他種間との食物の取り合いを避けることで、寒冷な地域へ渡り、その競い合いから逃れるというのだ。

これはコンピューターでシミュレートした予測であるようだが、なるほど自然界は生存するベクトルが成り立っているのだ。皆で取り合う競争を避けることは翌年の飛来のためになっている。皆で仲良く分け合って食べているというよりは、争いごとを避けているのか、食べ物の豊富な場所へ行くだけのことなのか、何れにせよ生存本能が身についているものだと感心してしまう。

人の世界はどうだ。
押し合いへし合い、騙し騙され…

それだけの辛辣な世界ではないが、これに習ってみるのもいいかも知れない。
人口の少ない地域には、そこに見合った世界があり「活気」が沸いていたに違いない。そこで育まれた多くの人たちもいたはず。過去に見る景色は今はほとんど見えないのだろう。

地域の身の丈にあった発展というと消極的かまたは否定的に聞こえるかも知れないが、妙なバランスの崩れ方は大切な何かを追いやってしまう可能性がある。

渡り鳥のようにはいかないのだ。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

梅に四十雀

大きめのカップ1杯分の分量GWは気持ちの良い天候に恵まれていて、お花も見頃の様で楽しい連休になっているかと思う。私はちょこまかと5月1日のリニューアルオープン…

  • 308 view

遅い夕食

近所で美味しいラーメンが食べれる幸せよ。アリラン カルビキムチラーメン。…

  • 332 view

前進と後退

「働かないで生きていけないかなー」「無理でしょ?」黒田硫黄 茄子1巻 ランチボックスここ何日か、周りの人と話をしていると学校の卒業式やそれに伴う飲…

  • 638 view

gita Web Magazine はじめました。

はじめましてコーヒー豆を焙煎をして販売し始めたのが14年前、時間が経つのは早いものです。その頃はまだインターネット上で文章を書くことなんて想像してもいなかったので、今…

  • 607 view

蜃気楼のように湧き上がってきた時間

朝から雨が降っていた。昼頃には少しの間土砂降りになったが久しぶりに土の中まで潤ったんじゃないかな。午後には幾らか青空が見えてきたけれど澄んだ空気は冷たくなっていた。周…

  • 380 view

カリントスキー

思い出したように食べ始めるひっそりと隠していたわけではないが小さい頃から「かりんとう」が好きなのだ。なんと言えば良いか、絶妙なバランスと味わいなのだ。黒糖の香…

  • 258 view