コーヒーの香りで旅気分

  1. DIARY
  2. 281 view

香りで思い出す景色

いざ生産国へ行くとなると緊張気味になる。どんなところでコーヒーが育っているのか、どんなコーヒーが待っているのか楽しみでならないのだが。しかし、トラブルはない方が良いので色々と心配もある。行ってしまえば楽しく過ごすのだが、行くまでの道中や就寝前には不安を抱えたりするナイーブな質だ。

長時間のフライトは映画を眺めて何とかなると思っていたが思いの外退屈する。機内食が割と楽しみになった。トイレへ行く時にストレッチするのが気持ち良くリフレッシュされる。機内から眺める月や星が煌々と光っているのを見ると日本が恋しくなる。飛行機の窓に霜が張り付いている。

空港に降り立ち外気に触れると異国の香りがする。聞きなれないスペイン語のテンポ良さが心地よい。割と荒い運転。野良犬多し。インコが電線に止まっている。艶やかな花。トロピカルフルーツ天国。

カップの中から立ち上る香りを吸い込むと頭の中ではスライドショーが流れる。その時の会話や気温湿度、スコールの激しさやこれは無理!という食事があったり、香りにはたくさんの景色が詰まっているのだと思う。コーヒーの隅々まで自分が関与しているかのように思えてくる。

恐るべしコーヒーだ。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

野良猫の鼻歌

テクテクと歩き蝶を追いかけたり桜の花びらを追い回していたかと思うとまた何かを見つけたりしている。一見注意散漫にも見えるがそうでもなさそうだ。草むらの中かに体半分くらい…

  • 325 view

831

夏はそろそろ後ろ姿を見せているように感じる。長梅雨はこれでもかというほどに雲を覆いかぶせていたものの猛暑に切り替えてきた。とは言え、朝夕の気温はお盆を越えて穏…

  • 438 view

夕焼け小焼け

空が桃色になる「夕焼け小焼け」の「小焼け」は北原白秋の造語だった可能性があると何かで読んだのを思い出した。写真では桃色と紫が強く写し出されたが、本当は…

  • 892 view

屋根に雨音が響いている。しかし…

新型コロナウィルスは自分の首まで絞めさせるのか春先の景色にしては雪解けが早い。近くの側溝に流れる水の勢いは割と穏やかで緑が広がり始めた。賑やかだったフキノトウやフ…

  • 470 view

デスクワークの密かな楽しみ

隣で店長が今日のメニューを書いていた。なかなかスラスラとペンが走らないようで考えあぐねているようだ。時折空を見上げ、指の間に万年筆を挟みパタパタさせている…

  • 341 view