甘酸っぱいエスプレッソ

  1. COFFEE
  2. 468 view

吟味する

素材の持ち味を知ること。
それに尽きるところだが、それを知ろうとすると多方向からのアプローチは必要だ。カッピングから始まり、ドリップで抽出時間や温度、粒度を変えたり、エスプレッソを何度も試したりしている内に輪郭が見えてくる。面白さや取り除きたい味わいなど、それがもともと素材に含まれていたものなのか、焙煎や抽出で出されてしまったものなのかを判断していく。些細な違和感の増減を頼りに進んでいくのだ。

目先の花やかさだけを追いかけてばかりいると、どこかしっくりとしないことがある。見るべきはもっと内部のものだ。

人によって様々な検証の仕方があり、これでないといけないといううことはないのでお好きなように素材に向き合ったらいいと思う。自分の安定感のある検証手順を作り上げたらいい訳だがなかなか地道な作業だ。

そうこうしている内にコーヒーの持つ面白さや、難しい側面を見つけることができる。
つまるところ何度もなんども、味見を繰り返していくのが自分のやり方として身に付いてしまっている。ただ、あまり主観的にならずに距離を開けたりしながら向き合っていくことで抽出と味わいのバランス感覚が理解できるような気がしている。

ここ数日のエスプレッソは甘酸っぱい感じでとても飲み心地が良い。
飲まれた方の評価も良っかたことが何より嬉しかった。

お店の向かいの桜

湯沢店の窓から見える桜の木はようやく花が咲き始めた。
他は散ってしまったが、毎年この窓から見える桜の木だけは遅い。

見頃は来週あたりかな。

今日は1日暖かな日で、気づけば周辺は緑がモリモリと生い茂り山菜が取り放題だ。
暖かな春は気持ちが良い。

GWはそろそろ終盤。
移動の際はどうかお気を付けて。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

ホールインワン

思い描くところでパチンと音が鳴るように焙煎が上手く仕上がると嬉しいものだ。そしたらドリップやエスプレッソだって狙いを定めたらもっと素敵なコーヒーの準備ができる…

  • 354 view

エスプレッソの美味しさ、バリスタの謙虚さ

凝縮感をコントロールしていくエスプレッソを美味しく抽出するのは、そもそものところ「エスプレッソはどういうものなのか?」ということや「どういうエスプレッソを抽出…

  • 1369 view

北海道出張⑤

朝に目が醒めると枕元のノートに書き綴った数行の文章に目が止まり、その脇に小鳥の絵を描いてある。就寝前にまくらを抱きながら書いていたのだが言葉がまとまらず、つい…

  • 548 view

エスプレッソとカレー

凝縮感と一体感かれこれずっとカレーを作り続けている。毎日のルーティンワークにすらなっている。スパイスの配合が面白い時期もあったが、そこでコーヒーに置き換えてみ…

  • 1611 view

コーヒー豆の声と言うのはつまり

モノづくりの楽しさと難しさ焙煎や抽出をさらに磨いて、ピカピカになるまで更に磨いて、もっともっととやっている内に陽は暮れて行くし歳もとっていく。自分の技術を磨くのは…

  • 447 view

『四季の珈琲 VOL.44』へ寄稿しました

コーヒーを仕事にするということ4月にカナダ・アメリカへ出張したことを『四季の珈琲 VOL.44』へ寄稿した。私は開業してから今年で15年目を迎え、コーヒー…

  • 700 view